スカパラ登場

東京スカパラダイスオーケストラのデビューアルバム『スカパラ登場』

東京スカパラダイスオーケストラの1stオリジナルアルバムである『スカパラ登場』は、1990年5月1日にEPIC/SONY RECORDSからリリースされました。このアルバムは、バンドのメジャーデビューを飾る重要な作品で、オリコンでは初登場10位を記録しました。

本作の制作過程では、ソプラノサックスを担当していた武内雄平が就職のためにアルバムの発売前にバンドを脱退するという出来事がありました。このような状況で、残されたメンバーたちは新たな音楽的な挑戦と、彼の遺した音楽への敬意をもってレコーディングを進めました。

収録曲の多様性

アルバムには多彩な楽曲が収められており、各曲が異なる作曲家によって生み出されています。例えば、「ストレンジ バード」は作曲者林昌幸によるもので、シングル『MONSTER ROCK』のB面曲としても知られています。また、「バンパイア」も林昌幸が手掛けた作品です。

メジャーデビュー曲である「MONSTER ROCK」は冷牟田竜之の作曲によれば、そのエネルギッシュなサウンドが特徴で、バンドのアイデンティティを強く打ち出しています。さらに、「仔象の行進」は1961年に公開された映画『ハタリ!』の劇中曲をカバーしたもので、HAL DAVIDの歌詞とHENRY MANCINIのメロディーが印象的です。バンドのアプローチによって新たな生命を吹き込まれました。

「ウーハンの女」も注目すべき楽曲で、朝倉弘一の作曲であり、後にASA-CHANGが自身のユニット・ASA-CHANG＆巡礼で再カバーしています。このように、オリジナルの創作のみならず、他のアーティストの楽曲に新しい解釈を加えることでも魅力を発揮しています。

「TIN TIN DEO」はCHANO POZOとWALTER FULLER GILの作曲による楽曲で、ラテンのリズムが心を躍らせます。また、「月面舞踏」は再び林昌幸の作品で、聴く者を異次元へと誘うような幻想的な雰囲気を持っています。

「にがい涙」は安井かずみの歌詞によるもので、筒美京平が作曲を手掛けたスリー・ディグリーズのカバーです。この楽曲はバンドのアレンジによって、オリジナルとは異なる味わいを加えています。さらに、「いにしえの花」は川上毅による作品で、その美しいメロディーが聴き手を魅了します。

「ゴールデン タイガー」は北原雅彦の作曲、そして「HIT THE ROAD JACK」はPERCY MAYFIELDの名曲を東京スカパラダイスオーケストラの日本語詞でアレンジしたものです。このようにバンドは多様な音楽スタイルを取り入れ、自己の音楽を広げていきました。

最後に、「ドキドキTIME」や「君と僕」はそれぞれ青木達之、沖祐一の作曲で、特にこの曲たちはバンドの魅力を引き出す重要な役割を果たしています。

まとめ

『スカパラ登場』は、東京スカパラダイスオーケストラのメジャーなスタートを切った作品であり、アルバム全体を通して多彩な楽曲が揃っています。このアルバムをきっかけに、バンドはさらなる成長を続け、国内外の音楽シーンでその存在感を発揮していくこととなります。

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