スキナーズ・ユニオン

スキナーズ・ユニオン（Skinners Union）

スキナーズ・ユニオンは、イギリスに拠点を置くキャブレターメーカーであり、1905年の創業以来、その革新性と技術力で自動車業界に大きな貢献をしてきました。創業者はジョージ・ハーバート・スキナーであり、彼は当初、自ら開発したキャブレターを基に、1910年に弟のトーマスと共に会社を設立しました。

会社設立当初は、製品に「ユニオン・キャブレター」という名称が付けられていましたが、ほどなくして社名の頭文字をとり「SUキャブレター」という名称に変更されました。この名前は今日まで多くの自動車愛好者に親しまれています。

主な製品と特徴

スキナーズ・ユニオンのキャブレターは、特にイギリスやスウェーデンの自動車メーカーにおいて純正部品として採用されていました。また、フォーミュラ1を含む様々なレーシングカーにも多く使用されています。その多くのモデルはサイドドラフトタイプであり、可変ベンチュリ型キャブレターとしての地位を確立しています。特に「H」、「HD」、「HS」、「HIF」などの主要モデルが存在し、これらは自動車のパフォーマンスを最大限に引き出すために設計されています。

モデル名の規則

SUキャブレターのモデル名は、さまざまな規則に従っています。たとえば、HIF6というモデル名の場合、数字が1桁の時には特別なルールに基づいて判断されます。具体的には、後ろに「/8」を加えることで、6/8は3/4インチを示し、これを前に1をつけることで、1-3/4インチ、つまりメートル法で言うところの約44mmに換算されます。一方で、HIF38のように、2桁の数字の場合はそのまま38mmと解釈されます。

現在の状況

1995年、ローバー・ミニやオースチン・マエストロといった車両向けの供給を最後に、SUキャブレターの純正供給が終了しました。しかし、現在もBurlen Fuel Systems Limitedによってクラシックカー用のキャブレターが製造されています。この会社もまた、スキナーズ・ユニオンの技術を継承し、愛好者たちの需要に応え続けています。

さらに以前には、日立製作所（現在は日立Astemo）でもOEM生産を行っており、日本の多くの自動車においても純正キャブレターとして採用されていました。しかし、イギリス製のキャブレターと日立製のものでは、ニードルバルブを除くほとんどの部品が異なるため、設計においていくつかの違いがあります。

まとめ

スキナーズ・ユニオンは、特にキャブレター技術において革新をもたらした企業であり、長い歴史の中で多くの名車にその製品が使用されてきました。今なお、クラシックカーやレースカーの愛好者に支持され続けており、その存在は自動車文化の中で重要な位置を占めています。

もう一度検索