スケバンとは
"スケバン"は、日本の中学や
高等学校で不良行為を行う女子生徒を指す言葉であり、一般的には不良少女やヤンキー、ツッパリと同義です。この言葉は主に
1970年代初頭から
1980年代後半まで使用されていました。
言葉の由来
「スケバン」という言葉の起源にはいくつかの説がありますが、最も広く知られているのは、「スケ(女)」と「番長」を組み合わせたものです。つまり、女子のリーダー的存在であることを示しているのです。彼女たちは、ツッパリと共に行動したり、女子生徒間での番長としての立ち位置を持つこともありました。時には、不良少年のリーダーである番長の彼女であることもありました。また、女性のみで構成される
暴走族グループは「レディース」と呼ばれ、スケバンもその一員となることがありました。
映像作品と漫画の影響
スケバンという言葉が広がる背景には、映像作品や
漫画の存在が大きいです。
1970年代に公開された
東映の「女番長シリーズ」や、『
野良猫ロック』シリーズ、さらには
漫画『
スケバン刑事』とその実写化されたドラマシリーズが人気を博しました。特に『
スケバン刑事』は、
1980年代の
アイドル文化や
美少女ブームと深く結びついており、スケバンキャラクターが人気を獲得するきっかけとなりました。
造語としてのスケバン
「スケバン」という言葉が初めて映像作品で使用されたのは、1971年公開の
東映映画『女番長(すけばん)ブルース 牝蜂の逆襲』でした。この映画の中で、スケバンという言葉が平仮名で使われ、その後、定着して
いきました。この映画の脚本を手掛けた皆川隆之氏は、自身が造語したことを明かしており、彼の言葉が一つの文化を形成するとともに、スケバンという存在を確立させる要因となりました。
スケバンの波及
スケバンという文化は、
1972年に前原大輔氏の著書『スケバン』が発刊されることでさらに加速し、40万部以上を売り上げるヒット作となりました。その影響で、スケバンは制服を着た女子高校生を意味するように変化して
いきました。
また、スケバンムーブメントが進展する中、1973年には
日活が初のスケバン映画『ドキュメントポルノ スケバン』を製作しました。実際のスケバングループを隠し撮りしたこの作品は、リアルな視点からのスケバンを描いて人気を集め、続編も次々と制作されました。これにより、スケバン映画は次第に一般の映画界での位置づけを確立して
いきました。
スケバンファッション
スケバンのファッションは、主に制服の
セーラー服が基本で、そのスタイルには特徴的な要素がありました。上着は短くカットされたもので、
ロングスカートと合わせるスタイルが人気でした。また、携帯している学生鞄はぺちゃんこに潰したもので、さらにはマスクや皮手袋を着用している姿も見られました。
1980年代には流行の
ミニスカートに対抗するスタイルとしても注目され、反抗的な態度を具現化するファッションでもあったのです。
文化的影響と変遷
スケバン文化は、
1970年代から80年代にかけて著しい影響を及ぼし、
漫画や映画、さらにはファッションにまでも浸透しました。特に、当時の社会状況や青少年犯罪の増加が背景にあったため、スケバンという存在は、一種の社会現象として受け取られることもありました。しかし、1990年代から2000年代にかけて、コ
ギャルスタイルなど新たなファッションの流行により、スケバンは次第に薄れていくこととなります。
まとめ
スケバンという存在は、日本の女子学生文化の一端として、映像作品やファッションを通じて深い影響を及ぼしました。彼女たちが持つアイデンティティやスタイルは、単なる不良少女像とは一線を画し、今なお多くの作品に影響を与え続けています。