スコット・ウェドマン

スコット・ウェドマン：堅実なプレイでチームを支えた名脇役

スコット・ディーン・ウェドマン（Scott Dean Wedman, 1952年7月29日生まれ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。201cm、97kgという恵まれた体格を生かし、スモールフォワードとして活躍しました。

大学時代とNBA入り

カンザス州で生まれ育ったウェドマンは、コロラド大学に進学。3年間で平均16.7得点、9.1リバウンドという素晴らしい成績を残し、カンファレンスのオール1stチームに2度選ばれるなど、早くからその才能を発揮しました。

1974年、ウェドマンはNBAドラフトで全体6位という高評価でカンザスシティ=オマハ・キングスに入団。1年目から平均11.1得点をマークし、オールルーキー1stチームに選出されるなど、即戦力として活躍しました。

キングスでの活躍

2年目の1975-76シーズンには、平均15.5得点、7.4リバウンドを記録し、チームメイトのネイト・アーチボルドと共にオールスターに選出されました。1976年にアーチボルドがチームを去ってからは、エースとしてチームを牽引する存在感を高めていきました。

1979-80シーズンには、自己最高の平均19.0得点を記録し、自身2度目のオールスターに選出。さらに、オールディフェンシブ2ndチームにも選ばれるなど、攻守にわたって高い能力を発揮しました。翌1980-81シーズンには、レギュラーシーズン40勝のキングスをプレーオフのカンファレンス決勝に導きましたが、ヒューストン・ロケッツに1勝4敗で敗れました。シーズン終了後、ウェドマンはクリーブランド・キャバリアーズにトレードされました。キングスでは7年間プレーし、平均16.5得点を記録しました。

セルティックスでの栄光

キャバリアーズでの1年目は怪我に苦しみましたが、1983-84シーズンには復活し、平均18得点超を記録しました。しかし、シーズン途中にボストン・セルティックスにトレードされることになります。

当時のセルティックスは、ラリー・バードやケビン・マクヘイルらを擁し、リーグ屈指の強豪として知られていました。ウェドマンはセルティックスでは個人成績を大きく落としたものの、優れたベンチプレイヤーとしてチームに貢献し、1984年と1986年の2度、NBAチャンピオンを経験しました。1985年のファイナル第1戦では、23分間の出場でスリーポイント4本を含む26得点をあげ、セルティックスを34点差での大勝に導くなど、印象的な活躍を見せました。

引退後

ウェドマンは1986-87シーズンの序盤にシアトル・スーパーソニックスにトレードされましたが、プレーすることなく現役を引退しました。NBAでの通算成績は、906試合出場、11,916得点、4,355リバウンド（平均13.2得点、4.8リバウンド）でした。

引退後は、セミプロリーグのコーチなどを務め、現在はカンザスシティで不動産業を営んでいます。

人柄

ウェイトトレーニングを欠かさず、非常に頑丈な肉体を持っていました。1979年には交通事故に遭いましたが、数試合の欠場のみで復帰しています。また、厳格なベジタリアンとしても知られており、セルティックス時代にはバードやマクヘイルによくからかわれていたそうです。

スコット・ウェドマンは、スター選手ではありませんでしたが、堅実なプレイと献身的な姿勢でチームを支え、2度のNBA制覇に貢献した名脇役として、多くのファンに記憶されています。

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