スコット・カーソン

スコット・カーソンは、1985年9月3日生まれ、イングランド・カンブリア州ホワイトヘーヴン出身のプロサッカー選手です。現在はプレミアリーグの強豪、マンチェスター・シティFCにゴールキーパーとして所属しています。

クラブでのキャリア

カーソンは、地元ホワイトヘーヴンでその才能を見出され、リーズ・ユナイテッドFCへ移籍しプロとしてのキャリアをスタートさせました。リーズでは出場機会こそ少なかったものの、その潜在能力は高く評価され、リヴァプールFCとチェルシーFCという名門クラブが獲得競争を繰り広げました。最終的にカーソンはリヴァプールへの移籍を決断、「リヴァプールからのオファーに動転した」と当時を振り返っています。

リヴァプールでは、2004-05シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝、ユヴェントスFC戦で、アレッサンドロ・デル・ピエロの決定的なシュートを阻止し、チームの勝利に大きく貢献しました。このシーズン、リヴァプールは21年ぶりとなるCL優勝を成し遂げましたが、翌シーズンにはペペ・レイナの加入により出場機会を失い、その後はレンタル移籍を繰り返すことになります。

2008年にはウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC（WBA）に加入し、主力として活躍しました。そして2017年、元チームメイトのシャビ・アロンソの引退により、2004-05シーズンのCL優勝を経験した現役選手は、カーソンただ一人となりました（2020-21シーズン時点）。

2019年8月には、マンチェスター・シティFCに1年間のレンタル移籍で加入。エデルソン、クラウディオ・ブラーボに次ぐ第3GKとしての加入でした。2019-20シーズンは公式戦での出場機会はなく、一旦ダービー・カウンティFCに復帰しました。翌2020-21シーズンもレンタル期間を延長し、シティに残留。ザック・ステッフェンの復帰により第3GKの立場は変わらなかったものの、2021年1月には新型コロナウイルスに感染しました。

2021年5月14日、ニューカッスル・ユナイテッドFC戦で移籍後初出場を果たし、この試合で3失点を喫したものの、パス成功率90％を記録、チームの勝利に貢献しました。この試合は、カーソンにとってWBA時代の2011年5月22日以来、実に3645日ぶりのプレミアリーグ出場となり、これはプレミアリーグ史上最長記録となりました。2020-21シーズン終了後、マンチェスター・シティと1年契約を締結し、再加入。2021-22シーズンは公式戦1試合の出場でしたが、2022年6月には契約を2023年6月まで延長しました。

2022-23シーズン、カーソンはマンチェスター・シティの一員として再びCL優勝を経験しました。これは、リヴァプール時代以来18年ぶり2度目のCL制覇であり、同一選手によるCL優勝の間隔としては、ミランのマルディーニらに並ぶ大会記録となっています。

代表でのキャリア

カーソンは、2004年からU-21イングランド代表として活躍しました。2006 FIFAワールドカップでは、親善試合で負傷したロバート・グリーンに代わり、バックアップメンバーとして招集されました。当時はEFLチャンピオンシップ（2部リーグ）所属ながらの選出でした。本大会での出場機会はなかったものの、翌2007年にはA代表デビューを果たしました。しかし、その後はジョー・ハートの台頭もあり、2011年まで4試合の出場にとどまっています。

個人成績

国際Aマッチ: 4試合 0得点 (2007-2011)

特筆事項

2004-05シーズン、リヴァプールFCのUEFAチャンピオンズリーグ優勝に貢献
2020-21シーズン、プレミアリーグ最長出場間隔記録を達成（3645日）
2022-23シーズン、マンチェスター・シティFCで2度目のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を達成
* 同一選手によるCL優勝の間隔としては、大会記録タイとなる18年を記録

スコット・カーソンは、その長いキャリアの中で、数々の困難を乗り越え、常にチームのために貢献し続けてきた、まさにベテランの名にふさわしい選手と言えるでしょう。

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