スコヤ

スコヤとは

スコヤ（英: Square）は、直角を正確に測るための工具であり、主に金属や木材へのケガキや墨付け作業に使用されます。JIS規格では「直角定規」としてJIS B 7526に規定されており、その精度は非常に重要です。スコヤには様々な種類があり、用途に応じて使い分けられます。

概要

スコヤは、指矩（さしがね）と似た工具ですが、より小型で精密な作業に適しています。一般的にはステンレス製で、L字型の形状をしており、表裏に目盛りが付いていることが多いです。模型製作や精密な工作作業において、直角の確認や寸法測定、材料のガイドとして活用されます。指矩とは異なり、スコヤは台座部分を持ち、この台座を基準面に密着させることで、より正確な測定が可能です。

指矩との大きな違いは、スコヤが台座を持つ点です。この台座があることで、スコヤは基準面に安定して密着し、凹凸の影響を受けにくく、より精度の高い測定ができます。指矩が線で接触するのに対し、スコヤは面で接触するため、より正確な直角出しが可能になります。台座付きのスコヤは、流通上「台付きスコヤ」と呼ばれ、一般的にスコヤと言えばこのタイプを指すことが多いです。

スコヤは、主に金属加工を行う職人によく使用されます。木工職人が使用することは少ないですが、金属を扱う職人はスコヤと指矩を両方使い分けて作業をします。スコヤの語源は、英語の「square（スクエア）」が訛ったものとされています。

スコヤの種類

スコヤには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。

完全スコヤ

完全スコヤ（Precision Square With Base）は、台座部分が厚く、自立させることができるため、直角の確認が容易です。精度が高く、ケガキや墨付け作業に最適です。一般的には長辺が15センチメートル程度のものが扱いやすいとされています。

留め型スコヤ

留め型スコヤ（止め型スコヤ、ANGLE SCRIBING SQUARE）は、45度、135度、90度など、様々な角度を測れるように設計されています。特に内側の窓は、墨引き作業に便利です。

マイティスコヤ

マイティスコヤは、台座の端が45度の段差になっているのが特徴です。これにより、材料の側面に当てるだけで45度の墨付けが可能です。直角の墨付けももちろん可能です。

自由スコヤ

自由スコヤ（自在スコヤ）は、図面や現物の角度を写し取るための専用工具です。内側、外側の両方の角度を測定でき、墨線を正確に引くことができます。

留め定規

留め定規（止め定規）は、45度と135度の角度を持つ平行四辺形の定規です。こちらも留め型スコヤと同様に、内側の窓を利用して墨引きが可能です。

一発止型定規

一発止型定規（いっぱつとめがたじょうぎ）は、留め型スコヤの台座部分を大きくしたもので、角材の45度切断時に、上面の45度と側面の90度の墨線を一度に引くことができます。

プロトラクター

プロトラクター（Protractor）は、日本語では分度器と呼ばれます。自由スコヤの一種で、中心に回転軸があり、角度の測定やケガキ、墨付けに利用できます。

主なメーカー

スコヤを製造している主なメーカーには、シンワ測定、ユニセイキ、新潟精機、松井精密工業、大西測定、バーコ（スナップオン）などがあります。

これらのメーカーは、高品質なスコヤを提供しており、プロの職人からアマチュアまで幅広く利用されています。

まとめ

スコヤは、正確な直角を測るための重要な工具であり、その種類も多岐にわたります。用途や作業内容に応じて適切なスコヤを選択することで、より精度の高い作業が可能になります。精度の高いスコヤは、精密なものづくりには欠かせません。職人だけでなく、DIY愛好家にも役立つ工具です。

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