スコーピオン (スクーナー)

USSスコーピオンの概要

USSスコーピオンは、米英戦争中にアメリカ海軍が運用したスクーナーです。艦名は英語で「サソリ」を意味し、この名を持つ2隻目のアメリカ海軍艦艇でした。1813年春にペンシルベニア州エリーで進水し、オリバー・ハザード・ペリーのいとこであるスティーブン・チャンプリンの指揮下に入りました。

エリー湖での活動

1813年の夏から秋にかけて、スコーピオンはペリー率いる艦隊の一員としてエリー湖で活動しました。同年9月10日には、エリー湖の戦いに参加。この戦いはアメリカ艦隊がイギリス艦隊を破り、捕獲するという歴史的な勝利を収めました。スコーピオンはこの戦いで、スループ・トリップとともにイギリスのスクーナーChippewayとスループ・リトルベルトを捕獲する戦果をあげました。しかし、この戦闘でスコーピオンは2名の乗組員を失いました。

戦後の活動

エリー湖の戦いの後、スコーピオンはテムズ川地域において、ウィリアム・ヘンリー・ハリソンの軍隊を支援しました。兵員や物資の輸送、さらには敵軍から奪取した弾薬の輸送任務に従事しました。1813年から1814年の冬はエリーで係船されていましたが、1814年5月から9月には再び活動を開始。デトロイト地域の陸軍に協力し、エリー湖とヒューロン湖で兵員輸送や、ノタワサガ川、シムコー湖における敵の封鎖作戦に参加しました。

捕獲とその後

1814年9月6日、ヒューロン湖での封鎖任務中に、スコーピオンは不運にもイギリス軍に捕獲されてしまいました。捕獲したのは、かつてアメリカのスクーナーであったタイグリスで、数日前にイギリス軍に捕獲されていました。スコーピオンはその後、イギリス海軍のスクーナーConflanceと改名され、アメリカ海軍としての活動を終えました。

スコーピオンの戦歴

USSスコーピオンは、米英戦争におけるアメリカ海軍の重要な艦艇の一つでした。エリー湖の戦いでの勝利に貢献し、戦後は陸軍の支援活動に尽力するなど、その活動は多岐にわたりました。しかし、最終的にはイギリス軍に捕獲され、その短い艦歴を閉じました。この艦の歴史は、米英戦争におけるアメリカ海軍の苦闘と、その中で見られた勝利の象徴として、今もなお語り継がれています。

外部リンク

history.navy.mil: USS Scorpion - ウェイバックマシン（2004年3月17日アーカイブ分）

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