スズカデヴィアス

スズカデヴィアス：長く記憶に残る競走馬の軌跡

スズカデヴィアスは、2011年5月8日、北海道浦河町の辻牧場で誕生した日本の競走馬です。栗東・橋田満厩舎所属。馬名の由来は冠名と近親馬のドクターデヴィアスから名付けられました。

3歳時のデビューからクラシック路線に挑戦。皐月賞、東京優駿では好成績を残せませんでしたが、比叡ステークスを制し3勝目を挙げました。4歳時には京都記念で2着と好走するも、その後は苦戦が続きました。

転機が訪れたのは5歳時。横山典弘騎手騎乗のもと、金鯱賞で最後方から鋭い追い込みを見せ、差し・追い込みへの脚質転換を決意します。

6歳時には白富士ステークスで2年2ヶ月ぶりの勝利を収め、以降は重賞競走でも度々好成績を残すようになりました。そして、7歳を迎えた2018年、新潟大賞典で待望の重賞初制覇。三浦皇成騎手を鞍上に、単勝5番人気ながら直線で力強い脚で他馬を突き放しました。

7歳での重賞初勝利という快挙は、スズカデヴィアスの長く続いた努力の結晶でした。さらに、函館記念での出走によりJRA全10場での出走という記録も達成しています。

8歳以降も現役を続け、巴賞で再び勝利を収めるなど、その闘志は衰えませんでした。その後はオーストラリアへの遠征にも挑戦しますが、勝ち星とはなりませんでした。

晩年は障害競走に転向し、障害初出走で勝利を挙げるなど、持ち前の粘り強さで新たな挑戦を続けていました。しかし、10歳となった2021年6月6日、競走中に負傷し、予後不良のため安楽死処分となりました。

スズカデヴィアスの競走生活は、決して順風満帆ではありませんでした。しかし、持ち前の闘志と、関係者たちの献身的なサポートによって、数々の困難を乗り越え、多くの感動と記憶を残しました。7歳での重賞制覇、JRA全10場制覇、そして障害競走への挑戦など、その歩みは多くの競馬ファンに長く記憶されるでしょう。

血統面では、半妹に愛知杯2着のレイホーロマンス、3代母ローズオブスズカの半兄に英ダービー馬ドクターデヴィアスと高松宮記念馬シンコウキング、2代母ローマンスズカIIの半弟に高松宮記念馬スズカフェニックスなど、数々の名馬を輩出している名門血統を受け継いでいました。

スズカデヴィアスの活躍は、競走馬としての能力だけでなく、その粘り強さと不屈の精神、そして関係者たちの努力の賜物と言えるでしょう。その輝かしい競走生活は、多くの競馬ファンに感動と勇気を与え続け、長く記憶されるものとなっています。

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