スズキ・スカイウェイブ

スズキ・スカイウェイブシリーズ：日本を代表するビッグスクーターの歴史

スズキがかつて製造・販売していた「スカイウェイブ」シリーズは、日本国内で高い人気を博したビッグスクーターです。250cc、400cc、そして世界最大級の排気量を誇る650ccモデルの3車種が展開され、それぞれのモデルが時代とともに進化を遂げました。本記事では、スカイウェイブシリーズの歴史を、各世代のモデルの特徴や仕様、販売期間などを交えて詳しく解説します。

SKYWAVE 250/400

第一世代 (CJ41A / CJ42A / CK41A / CK42A)

1998年、スズキ初のビッグスクーターとして登場したスカイウェイブ250。同年10月には400ccモデルも追加されました。当時流行していたスクーターブームを追い風に、予想をはるかに超えるヒット作となりました。水冷単気筒4バルブエンジンを搭載し、前後13インチホイール、リンク式モノショックサスペンションなど、走行性能にこだわった設計が特徴でした。2000年にはマイナーチェンジを行い、スクリーン形状の変更や、シート下トランクに2つのヘルメットが収納できるなど、利便性を向上させています。さらに2001年には、カスタムブームを受けてメッキバーハンドルやショートスクリーンなどを装備した「タイプS」を追加発売しました。

第二世代 (CJ43A / CK43A)

2002年にはフルモデルチェンジを行い、2灯式マルチリフレクターヘッドライトを採用するなど、外観を一新しました。ビッグスクーターとして初めてフューエルインジェクションシステムを搭載したことも大きな進化でした。グレードは、ロングスクリーンを装備したスタンダード版と、ショートスクリーンなどを特徴とする「タイプS」がラインナップされました。「Limited」グレードも追加され、グリップヒーターなどが装備されました。2005年には、「タイプS」をベースに、よりスポーティなデザインとした「スカイウェイブSS」も登場しました。

第三世代 (CJ44A / CJ45A / CJ46A / CK44A / CK45A)

2006年（2007年モデル）には、さらなる進化を遂げた第三世代がデビューしました。DOHCエンジン、14インチフロントホイール、400ccモデルにはダブルディスクブレーキ（ABS搭載モデルもあり）などの採用により、走行性能が大幅に向上しました。また、63Lの大容量シート下トランクや、スズキ初となるスマートキーシステムの搭載など、利便性も向上しました。「タイプS」の先行発売後、スタンダード版、冬季仕様の「Limited」などが順次追加されました。2007年には電子制御CVTであるSECVTを搭載した「タイプM」も登場。運転モードの選択が可能で、様々な走行シーンに対応しました。2008年には「スカイウェイブSS」がフルモデルチェンジを行い、400ccモデルが廃止されました。そしてコストを抑えた「タイプSベーシック」も追加。長いモデルライフを経て、2017年9月、平成28年自動車排出ガス規制への対応が困難となったため生産終了となりました。

SKYWAVE 650 / LX

発売当時は世界最大のスクーターとして注目を集めた650ccモデル。638ccのDOHC並列2気筒エンジンと、二輪車初となる電子制御CVT「SECVT」を搭載。ドライブモード、パワーモード、5速MTモード（後に6速化）を切り替えることが可能でした。一般的なスクーターとは異なり、エンジンをフレームに直付けし、リアタイヤをスイングアームで懸架する構造を採用していました。大型自動二輪車AT限定免許の排気量上限が650ccに設定されたのは、このスカイウェイブ650を基準としたためです。そのため、多くの教習所に導入されました。

第一世代 (CP51A / CP52A)

2002年に発売。2004年には、電動格納ミラー、大型バックレスト、ABSなどを装備した上級グレード「LX」を追加。2005年にはビッグマイナーチェンジを実施し、SECVTのMTモードを6速化、イモビライザー、外気温計・燃費計などを追加しました。「LX」にはスクーター初となる電動可動式スクリーンも搭載されました。2008年にはラインナップを「LX」に一本化。2011年にはマイナーチェンジでメーターパネルのデザインを変更しました。

第二世代 (CP52A)

2013年にフルモデルチェンジ。エクステリアデザインを一新し、エンジン、駆動系も改良されました。メーターパネルはアナログ式に変更。2017年に平成28年排出ガス規制に対応させましたが、2018年に生産を終了しました。

関連車種

スカイウェイブ250タイプSは、カワサキのエプシロン250としてOEM供給されていました。しかし、カワサキとスズキのOEM提携解消に伴い、2007年に販売終了となりました。

まとめ

スカイウェイブシリーズは、長年にわたり進化を続け、多くのライダーに愛されてきました。その高い走行性能と快適性、そして多様なバリエーションは、日本のビッグスクーター市場に大きな影響を与えました。生産終了後も、中古車市場で高い人気を保っており、その魅力は色褪せていません。

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