スズキ・バンディット

スズキ・バンディットシリーズ：歴史とモデルバリエーション

スズキのオートバイシリーズ「バンディット（Bandit）」は、その名のとおり、ワイルドで力強い走りを象徴するモデルとして人気を博しました。本記事では、歴代のバンディットシリーズを、排気量別にその歴史と特徴を詳しく解説します。

GSF1200/S/S-ABS (バンディット1200/S)

1995年に登場したGSF1200は、低回転域から力強いトルクを誇るエンジンと、扱いやすいハンドリングが特徴でした。海外ではBandit1200として販売され、国内では2000年にモデルチェンジを経て、より洗練されたデザインのバンディット1200として生まれ変わりました。ハーフカウル仕様の「S」モデルもラインナップされ、ABS搭載車も設定されました。特徴的なのは、GSF1200Sをベースとした白バイ仕様(GSF1200P)の存在です。各都道府県警で導入され、長年に渡り活躍しました。

2006年にはフルモデルチェンジを行い、扱いやすさを重視したデザインに進化しました。油冷エンジン搭載の最終モデルとなる「油冷ファイナルエディション」も限定販売されました。これは、EUの排ガス規制強化への対応が背景にあります。

バンディット1250 ABS/S ABS/F ABS

2007年に登場したバンディット1250は、従来の油冷エンジンから新開発の水冷エンジンへと進化しました。排気量は1254ccに拡大され、最大トルクは低回転域で発生するよう改良されました。二次バランサーの採用により、騒音と振動が低減され、よりスムーズな走りを実現しています。また、キャブレターからインジェクションへ変更され、SDTV（Suzuki Dual Throttle Valve）システムの採用により、リニアなスロットルレスポンスと排出ガスの低減を実現しています。トランスミッションは6速化され、高速巡航時のエンジン回転数が低減されました。

日本仕様はABSを標準装備とし、2010年にはフルカウル仕様の「バンディット1250F ABS」が追加されました。このモデルは欧州では「GSX1250FA」として販売されました。ネイキッド版のバンディット1250 ABSは一時ラインナップから外れましたが、デザインを一新して復活しました。すべての1250シリーズは2016年に生産終了となりました。

GSF750

1995年に発売されたGSF750は、4ストローク油冷4気筒エンジンを搭載したモデルです。バンディットシリーズのスタンダードモデルとして位置づけられましたが、販売面では大きな成功を収めるには至りませんでした。教習車仕様なども存在しました。

バンディット650/S

2004年に登場したバンディット650は、油冷656ccエンジンを搭載したモデルです。ネイキッド仕様とハーフカウル仕様の「S」モデルがラインナップされました。2012年まで製造され、フルカウル仕様の派生モデル「GSX650F」も存在しました。

バンディット600/S

バンディット600は輸出専用モデルで、ネイキッド仕様とハーフカウル仕様「S」モデルがありました。1996年から2003年まで製造されました。

バンディット250/400

これらのモデルは、比較的小排気量で扱いやすいモデルとして、初心者にも人気がありました。シリーズ全体として、バンディットシリーズは、様々な排気量とスタイルのモデルが存在し、ライダーの多様なニーズに応えるシリーズでした。

まとめ

スズキ・バンディットシリーズは、その力強いエンジンと個性的なデザインで長きに渡り多くのライダーを魅了しました。油冷エンジン時代から水冷エンジン時代へと進化を遂げながら、その系譜は現在もスズキの歴史に深く刻まれています。それぞれのモデルが持つ特徴を理解することで、より深くバンディットシリーズの魅力を感じ取ることができるでしょう。

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