スズキ・ワゴンRスマイル

ワゴンRスマイル

ワゴンRスマイルは、スズキが提供する軽トールワゴンで、ワゴンRの派生車種として位置づけられています。特に、両側スライドドアが備わっており、ユーザーの利便性を高めるデザインが魅力です。

概要

この車は、外観が独自のデザインで仕立てられ、非常に個性的です。2020年度の国内軽自動車販売の約半分をスライドドア付きのモデルが占めていることからも、ニーズの反映が見て取れます。また、ワゴンRのユーザーに対する調査では、40%が次に選ぶ車にスライドドアを希望していることがわかりました。これらの結果を踏まえ、スズキはワゴンRスマイルを市場に投入することとなりました。

他のワゴンRシリーズが「MH」型式を持つのに対し、ワゴンRスマイルでは「MX」という異なる型式が用いられています。この差別化は、過去のモデル「ワゴンRワイド」以来、並の軽自動車において初めてのケースです。コスト管理の観点からも、車両の部品は異なるモデル間で共通化されています。特に、フロント部分やスライドドアは、軽自動車のスペーシアと部品を共有するなど、効率を追求した設計となっています。

デザイン

外見のデザインは、ワゴンRの印象とは一線を画し、丸みを帯びたスクエアフォルムを採用。ヘッドランプは親しみやすい丸型になっています。照明についても、グレードに応じてハロゲンかLEDの選択が可能で、特にLEDはスタイリッシュな透明インナーレンズとメッキガーニッシュで飾られています。また、リアコンビネーションランプは中央配置で、リンゴのような奥行きを表現するデザインが施されています。

内装は、天井にキルティングが用いられ、一部のグレードにはカッパーゴールドのアクセントが含まれるなど、質感にもこだわりがあります。これにより、使う人にとっての居心地良さを追求しています。さらに、ボディカラーに合わせたホイールキャップやインパネカラーパネルなどの選択肢も豊富で、様々なオプションでカスタマイズする喜びも提供しています。

メカニズム

ワゴンRスマイルは、R06D型エンジンを搭載しています。トランスミッションはCVTが標準で、ターボオプションは用意されていません。マイルドハイブリッドシステムも選択肢として用意されており、電動モーター機能付きの発電機であるISGと、専用のリチウムイオンバッテリーを搭載したモデルもラインアップされています。

機能とパッケージング

両側スライドドアを持つワゴンRスマイルは、高さを6代目ワゴンRよりも45mm高くしつつも、スペーシアよりは低く設計されています。このバランスにより、燃費性能も考慮されています。また、室内高は65mm増加し、快適な空間を提供としつつ、最小回転半径は4.4mという優れた取り回し性能も維持されているのが特長です。

スライドドアは600mmの広い開口部を持ち、乗り降りがしやすい設計。選択可能なパワースライドドアには、閉まる際にリクエストスイッチや携帯リモコンからのロック予約機能も装備されています。この機能はスズキ車では初の試みです。

安全機能として「スズキ セーフティ サポート」が全車に標準装備され、先進的な運転支援技術が導入されています。例えば、衝突被害軽減ブレーキや後退時ブレーキサポート、走行中の車線逸脱警報などが含まれています。

歴史

2021年8月27日に公式発表され、同年9月10日に発売が始まりました。初期のグレードは、ガソリンモデルの「G」とマイルドハイブリッドモデル「HYBRID S」、「HYBRID X」が用意されていました。カラーリングも豊富で、多彩な選択肢から選ぶことができました。また、2023年7月には一部仕様の変更と特別モデル「HYBRID Sリミテッド」が発表されています。

車名の由来

「ワゴンR」という名前はスズキのワゴンRに由来し、「Smile」というサブネームは、ユーザーに笑顔を届けたいという願いから名付けられました。この名称は元々本田技研の商標でしたが、スズキの交渉により使用が認められました。

まとめ

このように、ワゴンRスマイルは独自のデザイン、機能性、安全性を兼ね備えた軽トールワゴンとして、ユーザーからの支持を獲得している理由が伺えます。

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