スタウト

スタウトは、ローストした大麦を原料とし、上面発酵によって醸造される、濃厚な風味を持つビールです。一般的に黒色で、苦味と酸味が強く、アルコール度数も高めなものが多いのが特徴です。その名前の「スタウト」は「強い」という意味を持ちます。

概要

スタウトは、主にアイルランドやイギリスで親しまれており、代表的な銘柄としてギネスが挙げられます。その色はほとんどが黒色で、濃厚な味わいと、強い苦味と酸味が特徴です。アルコール度数は一般的なラガービールよりも高い傾向があります。カロリーはラガービールよりも低い一方で、糖質は高めです。

飲み方としては、そのまま飲むのが一般的ですが、普通のビールに割って飲んだり、生卵を落として飲む方法もあります。

上面発酵でないスタウト

日本のビールの規定では、スタウトは上面発酵でなければならないという規定はありません。そのため、下面発酵で醸造されたスタウトも存在します。例えば、キリンビールの「一番搾りスタウト（リニューアル前）」やサッポロビールの「ヱビス スタウト クリーミートップ」は下面発酵ですが、日本の規約上の条件を満たしているため、「スタウト」の名称を使用することに問題はありません。

海外でも、韓国のハイトビールやバルト海沿岸地域などでは、下面発酵のスタウトが見られますが、その是非については議論があります。一方で、キリンビールの「キリンスタウト」や「一番搾りスタウト（リニューアル後）」、アサヒビールの「アサヒスタウト」は上面発酵で醸造されています。

日本で黒ビールと呼ばれているものの多くは、ラガービールと同様に下面発酵で醸造されており、シュヴァルツビールに近いものが多く見られます。

スタウトの種類

スタウトには様々な種類があり、それぞれに特徴的な風味があります。

ドライスタウト
ドライスタウトは、別名アイリッシュスタウトとも呼ばれ、飲み始めに軽いカラメル香を感じるのが特徴です。強くローストした麦芽のドライな苦味が後味に強く残ります。アルコール度数は4%から5%程度で、クリーミーな泡立ちと泡持ちに優れています。

フォーリンスタウト
フォーリンスタウトは、ドライスタウトよりも甘味とアルコール度数が強いスタウトです。コーヒーやチョコレートを思わせる軽い焦げ風味が特徴で、甘味と苦味は他のスタウトよりも強く感じられます。

スイートスタウト
スイートスタウトは、ミルクスタウトやクリームスタウトとも呼ばれ、甘さが特徴のスタウトです。コーヒーやチョコレート、カラメルの風味が楽しめます。製造過程で乳糖（ラクトース）を加えることもあります。

オートミールスタウト
オートミールスタウトは、大麦麦芽に加えてオート麦を使用するスタウトです。軽い甘味があり、クリーム入りのコーヒーのような風味が特徴です。

インペリアルスタウト
インペリアルスタウトは、ロシア皇帝への献上品として作られたとされるスタウトです。ロシアン・スタウトやラシアン・インペリアルスタウトとも呼ばれます。寒冷地で凍らないようにアルコール度数を高めているのが特徴です。

オイスタースタウト
オイスタースタウトは、カキエキスを加えて作られたスタウトです。


このように、スタウトには様々な種類があり、それぞれの特徴的な風味を楽しむことができます。ぜひ、飲み比べてみてください。

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