スタリー・グラード

スタリー・グラード：時を超えるアドリア海の宝石

スタリー・グラード（Stari Grad）は、クロアチアのダルマチア地方に位置するフヴァル島にある町です。フヴァル島北西部に位置し、その名前が示すようにクロアチア語で「古い町」を意味します。この町は、フヴァル島で最も古い集落であり、アドリア海の島々の中でも有数の歴史を持つ集落として知られています。

古代からの歴史

スタリー・グラードには、古代より人が居住していました。フヴァル文化の担い手たちに始まり、紀元前384年には、ギリシャ人の植民によってパロス（Pharos）と名付けられました。これは、哲学者のアリストテレスが生まれた年と同じ年のできごとです。この豊かな歴史は、町の至る所に残る古代遺跡や建造物を通して感じることができます。

文化と芸術

スタリー・グラードは、ルネサンス期の作家ペータル・ヘクトロヴィッチ（Petar Hektorović）の故郷でもあります。彼の精神は、町に深く根付いており、文化的な魅力を高めています。町には、ヘクトロヴィッチが後半生を費やして建てたトヴルダリ城（Tvrdalj Petra Hektorovića）をはじめとする歴史的建造物が点在しています。

スタリー・グラード平原：世界遺産

2008年7月7日、スタリー・グラード平原はユネスコの世界遺産に登録されました。この平原は、古代ギリシャ時代から続くオリーブとブドウの栽培が盛んな地域であり、その文化的景観は、人類の歴史と自然との調和を示す貴重な証拠です。登録基準としては、以下の点が評価されました。

文化交流の証: 長期間にわたり、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること。
文化的伝統の証: 現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠であること。
人と環境の関わり: ある文化を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例であること。特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例であること。

町の見どころ

スタリー・グラードには、数多くの教会や古代遺跡があります。

トヴルダリ城（Tvrdalj Petra Hektorovića）: ペータル・ヘクトロヴィッチの居城。
マスリノヴィク（Maslinovik）: スタリー・グラード平原にある古代ギリシャ人の住居跡。
グラヴィツァ（Glavica）: スタリー・グラードのイリュリア人の住居跡。
聖ヨハネ聖堂（crkva sv. Ivana）
聖ヒエロニムス聖堂（crkva sv. Jerolima s hospicijem）
聖ロクス聖堂（crkva sv. Roka）
聖ペトロ聖堂（crkva sv. Petra s dominikanskim samostanom）
聖ルチア聖堂（crkva sv. Lucije）
聖ニコラオス聖堂（crkva sv. Nikole）
聖ステファノ聖堂（crkva sv. Stjepana）
聖母マリア礼拝堂（kapela Gospojica）
* 聖ヘレナ礼拝堂（kapela sv. Jelene）

これらの史跡を巡ることで、スタリー・グラードの豊かな歴史と文化に触れることができるでしょう。

スタリー・グラードは、その美しい景観と歴史的な魅力により、訪れる人々を魅了し続けています。アドリア海の真珠とも言えるこの町で、時を超えた旅を体験してみてはいかがでしょうか。

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