スタンダードミサイル

スタンダードミサイル

スタンダードミサイル（Standard Missile）は、アメリカ合衆国において開発された艦対空ミサイルの一系列を指します。このミサイルは、以前のテリア・ターターシリーズを基にして設計が共通化され、その後のイージスシステムへの適合などを経て進化を遂げてきました。代表的なものには、SM-1、SM-2、SM-3、そして超長射程を誇るSM-6があります。この他にも、対レーダーミサイルのスタンダードARMや艦対艦ミサイルとしてのRGM-66の派生型が存在しますが、これらは全体として比較的小規模の運用に留まっています。

「スタンダード」という名前の由来は、アメリカを始めとする西側諸国の海軍艦艇にとっての「基準」となるミサイルを目指して開発されたことから名付けられました。事実、初期のモデルから50年以上が経過した現在でも、アメリカ海軍を中心に各国の海軍で使用され続けています。

開発の背景

第二次世界大戦の終[戦後]]、アメリカ海軍は新たな艦隊防空火力として艦対空ミサイル]の開発に着手しました。加えて、[[ジェット機の進展に伴い、空からの脅威が増加したことで、防空システムの拡充が求められました。1950年代にはテリアやターターが艦隊に配備され、これらは将来的には3T（テリア、タロス、ターター）と呼ばれるシリーズへと進化します。この時期、いくつかの両者の性能向上を図る努力がされ、次世代防空システム「タイフォン」の開発が開始されましたが、技術的なハードルの高さからこれは1963年にキャンセルされます。

この結果、タイフォンの開発予算が3Tの改良に振り分けられ、ターターとテリアの共同改良が進められ、一つの基本設計にもとづくミサイル、すなわちスタンダードミサイルの開発が1967年度から開始されました。

SM-1シリーズ

SM-1シリーズは、基本的な中射程型（MR）とブースターを備えた長射程型（ER）の二つのタイプに分類されます。1965年には試作機YRIM-66Aの試験が始まり、1967年には実運用機RIM-66Aが正式に就役しました。その後、順次バリエーションが増え、改良を重ねながら運用されています。

RIM-66 SM-1MR

SM-1MRは、ターターを基にした設計がなされ、艦対空ミサイルとして水上目標への攻撃能力を持つ装備です。このモデルは1970年代に最終的なモデルが確定され、以降も他国の海軍へも広まっていきました。アメリカ海軍だけでなく、イタリア海軍やフランス海軍など、多くの国々でこのタイプのミサイルが採用されています。

SM-2シリーズ

SM-2シリーズは、SM-1から更なる技術革新が施されたもので、プログラマブルなオートパイロットを導入し、指令誘導の機能が追加されました。このシリーズは、イージスシステムと併せて運用されることが多く、その後の開発により新たなブロックも登場しました。これにより、ミサイルの能力が大幅に向上し、複数目標への同時対応能力が強化されました。

SM-3とSM-6

弾道ミサイル迎撃用にはSM-3が開発され、より高い命中精度を持つ設計になっています。さらに、長射程の発展型としてSM-6が開発され、多様な威嚇能力を持つミサイルとして重宝されています。

まとめ

スタンダードミサイルは、海軍艦艇の防空能力を支える重要な役割を果たしており、その技術的進化は防衛戦略の一環として多くの国に影響を与えています。改良が続くこのミサイルシリーズは、50年以上の歴史を持つ艦対空ミサイルとして、今後もその重要性を失わないでしょう。

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