スターへばく進!!

スターへばく進!!

番組概要

『スターへばく進!!』（スターへばくしん）は、1971年1月20日から同年3月31日までの約3か月間にわたり、毎週水曜日の19時00分から19時56分にかけて日本テレビ系列局で放送された音楽バラエティ番組です。日本テレビが制作を手がけたこの番組は、単なる歌謡ショーではなく、新たな才能を発掘することに主眼を置いたタレントオーディション番組という側面を持っていました。1969年9月まで月曜19時台に放送されていた『あなた出番です!』以来となる、日本テレビ系のタレントオーディション企画であり、特に1時間番組としてはこれが初めての試みでした。

番組は、レギュラー出演者とゲストとして招かれた面々が繰り広げるコントを中心に進行しました。このコントの中に、出場者が自らの歌唱力やパフォーマンスを披露するオーディションコーナーが組み込まれていたと考えられます。バラエティ豊かな内容で視聴者を楽しませながら、未来のスター候補生を見つけ出そうというコンセプトでした。

出演者

この番組を盛り上げたのは、個性豊かな出演者たちでした。司会を務めたのは、当時人気のアイドルであった井上順之（後に井上順として知られる）と、石田ゆりです。彼らが軽妙なトークで番組を進行し、出場者やレギュラー陣、ゲストとの掛け合いをリードしました。

番組のアシスタントとしては、女性4人組グループの「ジャンボ・ガールズ」が起用されました。彼女たちは、番組の進行をサポートしたり、華を添えたりする役割を担っていたと考えられます。

また、レギュラー出演者として、橋本哲也（後に橋本テツヤとして活躍）が出演していました。番組の根幹をなすコントパートなどで重要な役割を担っていたと推測されます。興味深い点として、このアシスタントのジャンボ・ガールズを除いて、主要な出演者の多くは、本番組の直前に同じ時間帯で放送されていた前番組『ヒットQ』からの継続出演者であったことが挙げられます。これは、制作サイドが既存のキャスト陣を活かしつつ、番組内容をリニューアルしたことを示唆しています。

最終回とその後の展開

全11回の短いシリーズでしたが、番組のクライマックスは最終回に訪れました。1971年3月31日の最終回では、番組を通じて勝ち残ってきた出場者たちが集結し、グランドチャンピオンを決定する決勝大会が盛大に開催されました。激戦を勝ち抜き、栄えある初代グランドチャンピオンの座に輝いたのは、歌手の本郷直樹でした。

そして、このオーディションにおいて見事合格を勝ち取ったグループの一つに、女性歌唱グループ「ザ・シュークリーム」がいました。このグループには、後に女優としても活躍するホーン・ユキがメンバーとして参加していました。オーディション合格者であるザ・シュークリームは、単に番組で認められただけでなく、本番組の後を受けて1971年4月7日からスタートした次番組『全国テキに歌ァ!』にレギュラー出演者として起用されることとなりました。これは、『スターへばく進!!』が単なる一過性の番組ではなく、実際に新人を発掘し、次の番組へと繋げる役割を果たした具体的な成果と言えるでしょう。

まとめ

『スターへばく進!!』は、1970年代初頭の日本のテレビにおけるタレントオーディション番組の歴史において、短期間ながらも確かな足跡を残した番組です。コントを交えたバラエティ豊かな形式と、未来のスターを目指す若者たちの真剣な挑戦が組み合わさった内容は、当時の視聴者に新鮮な魅力を提供したと考えられます。グランドチャンピオンの誕生や、合格者が次番組へのレギュラー出演を勝ち取るなど、具体的な成果も生み出しており、当時の音楽業界や芸能界への登竜門としての役割も担っていたと言えるでしょう。この番組は、わずか3か月の放送期間でありながら、その後の芸能界に影響を与える一歩となったのです。

（参考資料：読売新聞縮刷版）

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