ホーン・ユキ

ホーン・ユキ：アイドルから女優へ、そして第二の人生へ

ホーン・ユキは、1950年神奈川県横浜市生まれ、東京都国立市育ちの元アイドル、女優である。1970年代、そのグラマラスな容姿と明るさで人気を博した彼女は、数多くのドラマや映画に出演し、幅広い世代に知られる存在となった。華やかな芸能界での活躍と、その後の人生における変化に富んだ歩みは、多くの人々に興味と関心を呼び起こすだろう。

スクールメイツからアイドルグループへ

歌と踊りを愛するホーン・ユキは、大学受験の浪人中にスクールメイツの募集広告を目にし、メンバーとなる。1971年には、渡辺プロダクション所属の4人組アイドルグループ「ザ・シュークリーム」としてデビュー。同事務所のゴールデン・ハーフと競い合う存在として、人気を獲得していく。グループ活動中は「ホーン・ユキエ」と名乗っていた。しかし、メンバー間の意見の相違などから、1973年にグループは解散。彼女は女優への道を歩み始める。

女優としての活躍と『傷だらけの天使』

女優への転身後、ホーン・ユキは様々な作品に出演。その中でも特に有名なのは、1974年から1975年にかけて放送されたテレビドラマ『傷だらけの天使』である。萩原健一演じる主人公らにセクハラされる「綾部情報社」の秘書・浅川京子役を演じ、強烈なインパクトを残した。バストサイズ90cmというグラマラスな体型を生かし、多くのカラーグラビアにも登場。当時の「ボインちゃん」という言葉で形容されることも多く、明るいお色気路線を代表する存在として活躍した。「ちょっと色っぽい役が多かったので、自分で体の線が出るような服を好んで着ていました」と本人も語っているように、自身の容姿を最大限に活かした演技で多くのファンを魅了した。

結婚、出産、そして芸能界引退

1979年、ドラマで共演した俳優の入川保則と結婚。芸能界への未練はなく、専業主婦として3人の息子を育て上げた。1983年には露口茂主演の時代劇スペシャル「裏切りの報酬 追放者・九鬼真十郎」に出演。この作品は次男出産直後での撮影となり、母乳が溢れ出てしまうハプニングもあったという。この作品を最後に、彼女は芸能界の第一線から退く。後年、「役者をやっていた時期は7年くらいですが、所属事務所の力もあって相当いろんな作品に出てるので、全部は覚えていないんです」と語っているように、数多くの作品に出演し、精力的に活動した時代だったと言える。

第二の人生：警備業からボランティア活動へ

2004年に離婚後、ホーン・ユキは警備業に就いた。2016年に退職後はスクリーンライブ活動を始める。2019年には、地元の町田市で障がい者支援のボランティアをしていることが報道された。アイドル、女優として華々しい時代を過ごした彼女が、新たな人生のステージで社会貢献に励んでいることは、多くの人々に感銘を与えている。

テレビドラマ、映画、その他出演作品

ホーン・ユキは、数多くのテレビドラマや映画に出演。主な作品として、『ラブラブライバル』、『天下堂々』、『アイフル大作戦』、『ジャンボーグA』、『科学捜査官』、『バーディー大作戦』、『かたぐるま』、『傷だらけの天使』、『木下恵介 人間の歌シリーズ / もうひとつの春』、『長崎犯科帳』、『はぐれ刑事』、『土曜劇場 / 赤ちゃんがいっぱい』、『結婚前夜シリーズ』、『泣かせるあいつ』、『水戸黄門』、『ベルサイユのトラック姐ちゃん』、『いろはの"い"』、『夜明けの刑事』、『同心部屋御用帳 江戸の旋風II』、『ご存知!女ねずみ小僧』、『華麗なる刑事』、『新・木枯し紋次郎』、『同心部屋御用帳 江戸の旋風（第3シリーズ）』、『おおヒバリ!』、『土曜ワイド劇場』、『青いくちづけ』、『ハッピーですか?』、『大追跡』、『大岡越前』、『日曜恐怖シリーズ』、『銀河テレビ小説』、『チェックメイト78』、『連続テレビ小説 マー姉ちゃん』、『ゆうひが丘の総理大臣』、『大空港』、『俺たちは天使だ!』、『おやこ刑事』、『雲霧仁左衛門』、『噂の刑事トミーとマツ』、『探偵物語』、『駆け込みビル7号室』、『ミラクルガール』、『大捜査線』、『鬼平犯科帳』、『連続テレビ小説 よーいドン』、『時代劇スペシャル / 裏切りの報酬 追放者・九鬼真十郎』などがある。また、映画では『ムツゴロウの結婚記』、『ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!』、『襟裳岬』、『おしゃれ大作戦』、『俺たちの交響楽』、『青春 PARTII』、『港町紳士録』などに出演している。さらに、テレビアニメ『ワンサくん』ではミドリ役で声優としても活動している。アイドルグループ「ザ・シュークリーム」時代には『恋の五ヶ条』、『ホットパンツのお嬢さん』、『つらい時代の娘たち』、『二人だけの場所』、『甘い罠』、『イエス･オア･ノー』などの楽曲をリリースし、ソロでは『ママに逢いたい』を歌っている。

ホーン・ユキの多様な経歴は、彼女の人生の豊かさ、そして変化への対応力を感じさせる。芸能界での華麗な活躍だけでなく、その後の人生における様々な経験が、彼女を現在の姿へと導いたと言えるだろう。そして、これからも彼女は自身の持ち前の明るさと強さで、新たな道を切り開いていくことだろう。

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