スタートレックV 新たなる未知へ

映画『スタートレックV 新たなる未知へ』

『スタートレックV 新たなる未知へ』（英題: Star Trek V: The Final Frontier）は、1989年に公開されたアメリカのSF映画で、スタートレックシリーズのオリジナルキャストによる作品の中で5作目にあたります。ウィリアム・シャトナーが監督を務め、劇場公開された邦題は『スター・トレック5 新たなる未知へ』です。この映画は、シリーズの登場人物たちが「神」に挑むというテーマを描いています。

ストーリー概要

本作は、放棄された植民地惑星ニンバス3号星において、異なる種族の人々が人質にされるところから物語が始まります。異母兄のサイボックというバルカン人が「神」に会うために人類未踏の地、グレートバリアを目指し、エンタープライズ号を乗っ取ることに成功します。サイボックはマインドコントロールを使い、エンタープライズの乗組員を洗脳し、自らの仲間に変えてしまいますが、カーク、スポック、マッコイの3人はその誘惑に抵抗します。

エンタープライズ号は、サイボックの目的を阻止するため、探索の旅に出ることになります。最終的には、神が住むという禁断の地、シャカリーにたどり着きます。この一連の冒険を通じて、彼らは自己を見つめ直し、人間の内面的な葛藤との向き合いも描かれています。

映画の背景

この作品は、ウィリアム・シャトナーにとって初の監督作品でした。登場人物の心理に重点を置いたストーリー展開は、賛否が分かれ、1989年のゴールデンラズベリー賞において、最低作品賞や最低監督賞を受賞することとなりました。公開時の状況も影響し、最初は客足が良かったものの、徐々に興行成績は下降し、最終的には前作の半分以下の売り上げに終わりました。

前作『スタートレックIV 故郷への長い道』が大ヒットしたことから、製作の期待が高まっていましたが、シャトナー監督が推すストーリーには製作側が難色を示し、製作費に関しては前作と同水準に抑えられることとなりました。また、出演者のギャラが上昇したため、特撮の予算がカットされるなども影響し、特撮の品質に影響を与える結果となりました。

受賞歴と評価

本作は、公開後に多くの波紋を呼びました。熱心なファンたちが不満を示したり、抗議集会を開く一方で、ラジー賞をいくつも受賞したことも評価を下げました。興行成績も前作比約1千万ドル減という結果に終わったため、シリーズの完結として宣伝されていたものの、続く6作目が製作されることになりました。

映画のクライマックスでは、カークが本来対決する予定であったモンスターとのバトル構想もありましたが、最終的には実現しませんでした。そのテスト映像は後にDVDやブルーレイに収録されています。

登場キャラクター

この作品には、スポックの異母兄であるサイボックが新たな敵として登場します。彼の存在が物語に大きな影響を与え、カークやその仲間たちと対する姿が描かれています。

映画『スタートレックV 新たなる未知へ』は、そのストーリー性やキャラクターの内面的な葛藤が描かれていますが、あまりの評価の低さもあって、スタートレックシリーズの中でも特に意見が分かれる作品となっています。

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