スター誕生 (1976年の映画)

『スター誕生』について

『スター誕生』（原題: A Star Is Born）は、1976年に公開されたアメリカの音楽映画であり、監督はフランク・ピアソンが担当しています。この作品は、1937年と1954年に製作された映画『スタア誕生』のリメイクであり、音楽業界を舞台として描かれています。主演には、バーブラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソンが出演しており、ストライサンドが作曲した主題歌「スター誕生の愛のテーマ」は大ヒットしました。

製作の背景

この映画は、バーブラ・ストライサンドの強い意向により、ドルビーステレオ音響が映画として初めて使用された作品です。この選択は、映画における音響技術の革新を意味しており、ドルビーが提供したステレオ設備の導入は当時の映画スタジオにとって大きな挑戦でした。特に製作過程では、ミックス作業に時間がかかり、予算を超過したことから、ストライサンド自身が100万ドルを投じる決断をしました。しかし、最後には編集スタジオがその費用を負担し、作品の音質は非常に高いものとなりました。

当時の映画業界ではモノラル音響が主流であり、映画館の改修がなければステレオを導入することが難しかったため、スタジオは初めはこの提案を受け入れませんでした。しかし、バーブラの影響力と資金力により、環境が整い、映画館も改修されることになったのです。これにより、後の『スター・ウォーズ』の公開時には、ドルビーステレオでの上映が可能になりました。興味深いことに、当時のストライサンドはステレオ音響がすでに一般的であると思い込んでいたというエピソードもあります。

ストーリーとキャスト

映画のストーリーは、プロの音楽家として成功を収めようと奮闘するキャラクターと、彼の影響を受ける青年の愛の物語を描いています。主演のバーブラ・ストライサンドは強い個性で知られるアーティストを演じ、クリス・クリストファーソンは彼女の恋人として、その成功を手助けする役どころです。この二人の演技は多くの観客に感動を与えました。

映画の評価

映画の公開後、レビュアーの間での評価は賛否が分かれました。『Rotten Tomatoes』では批評家の意見が一致しており、音楽が印象に残らなかった点や主演二人の相性の悪さが指摘されていました。全体として評価は低く、平均点は10点満点中5.4点となっています。一方で、『Metacritic』では9件のレビューに対し、賛否が混在する結果となりましたが、低評価は見受けられませんでした。

受賞歴

この映画は数々の受賞を果たしています。第49回アカデミー賞の歌曲賞を受賞した「スター誕生の愛のテーマ」は、バーブラとポール・ウィリアムズによって作られ、多くの賞を手にしました。また、ゴールデングローブ賞においても作品賞や主演女優賞にふさわしい評価を受けました。受賞歴は、作品の質や影響力を物語っています。

サウンドトラック

映画のサウンドトラックは1976年にリリースされ、コロムビア・レコードから発売されました。音楽はこの作品の魅力の一つであり、映画体験を彩る重要な要素となっています。

『スター誕生』は、音楽映画における革新を代表する作品であり、アーティストとしてのバーブラ・ストライサンドがその才能を最大限に発揮した映画として、今なお多くの人々に記憶され続けています。

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