ステファヌス (教皇選出者)

ステファヌス（ラテン語: Stephanus、生年不明 - 752年3月25日）は、8世紀のローマにおけるキリスト教の聖職者です。彼は752年3月に教皇ザカリアスの後を継いでローマ教皇に選出されましたが、教皇としての職務を開始するための聖別を受ける前に死去したため、歴史的には正式な教皇としては数えられていません。

生涯

ステファヌスは745年に、当時の教皇ザカリアスによって司祭枢機卿に任命されました。彼に与えられた名義教会は、ローマのサン・クリソゴーノ教会でした。752年3月中旬に教皇ザカリアスが亡くなると、その数日後の3月23日には、ステファヌスが後継の教皇に選ばれました。しかし、ステファヌスもまた、教皇就任のための聖別を受ける間もなく、選出から数日後に脳卒中で急逝しました。

「教皇ステファヌス」とその代数

当時の教会法では、教皇の任期は聖別が行われた時点から始まるとされていました。したがって、このステファヌスは、聖別を受けていないため、正式な教皇とは認められず、教皇のリストには含まれませんでした。しかし、16世紀以降、教皇選挙で選出された時点で教皇とみなす解釈が広まり、このステファヌスは「教皇ステファヌス2世」と呼ばれることがありました。これは、彼の教皇としての地位が遡及的に認められたような形でした。

しかし、1961年には「ステファヌス2世」の名は『教皇庁年鑑』から削除され、1975年10月1日に正式に教皇のリストから除外されました。この結果、現在「教皇ステファヌス2世」として知られているのは、このステファヌスの後に選出された別の人物を指します。この混乱を避けるため、以降の「ステファヌス」という名の教皇は、「ステファヌス2世（3世）」のように、括弧付きで表記されることもあります。

ステファヌスの事例は、教皇の地位と権威が、時代とともにその解釈が変わってきたことを示しています。彼の存在は、教皇の選出と聖別に関する教会法の変遷を理解する上で重要な事例となっています。

関連事項

* ヨハネス20世 (ローマ教皇)


この文章は、ステファヌスの生涯と、彼が教皇として認められなかった歴史的背景を詳細に説明しています。また、教皇の代数に関する混乱と、教会法における解釈の変遷についても触れています。

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