ステロイド外用薬離脱

ステロイド外用薬離脱についての詳細

概要

ステロイド外用薬離脱（Topical corticosteroid withdrawal）とは、長期間のステロイド外用薬使用停止後に起こる皮膚症状の悪化を指します。この現象は、依存状態に陥った患者が薬を中止すると、その以前より重篤な症状が現れることがあります。特に中等度から高力価の薬剤が頻繁に使用された場合において、顔や陰部での症状が顕著です。

歴史

1952年に初めて医薬品として登場したステロイド。1969年に最初の離脱症状に関する報告があり、その後1973年、1979年、そして1991年と徐々に研究が進展しました。結果的に、ステロイド外用薬の使用に伴う離脱症状の存在が広く認知されるようになりました。2015年までに全米皮膚炎学会はこの問題に関する294論文をレビューし、関連する情報を集約しました。

症状

ステロイド使用を中止した数日から数週間後に症状が現れます。最初は残った湿疹から発症し、徐々に紅斑が広がります。一般的な広がり方は顔、腕、体、足の順です。軽症の場合は赤くなり重症化すると皮膚が剥がれ、さらには39度の発熱を伴うこともあります。症状は人によって異なり、紅斑性浮腫型と丘疹膿疱性型に分類されます。

紅斑性浮腫型

多くの場合、基礎疾患としてアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎が見られ、皮膚の剥がれや腫脹が伴うことがあります。

丘疹膿疱性型

主にニキビ治療のためにステロイドを使用したことがあり、膿疱や丘疹が生じますが、灼熱感や刺痛は少ないです。

また、症状の発現は年齢による差がほとんどないとされていますが、18歳以下のデータは乏しく、今後さらなる調査が必要です。

防止策

全米皮膚炎学会では、ステロイド外用薬の使用は2～4週間を超えてはならず、悪化した場合や改善が見られない場合にはすぐに使用を中止することが推奨されています。また、強力なステロイドについては2週間までの使用で漸減していくことが望ましいとされています。適切な使用と観察により、ステロイド依存を避ける努力が必要です。

診断

現在、特定の診断基準は存在していないものの、オーストラリアの医師による提案で、長期的なステロイド使用があったこと、紅斑、痒みが具体的な症状として挙げられています。日本でも状況についての認知度が進んでいますが、依然として理解が不充分です。

管理

現時点では、効果的な管理方法については未確定です。紅斑性浮腫型では抗ヒスタミン薬や冷湿布、丘疹膿疱型には抗生物質が使用される傾向があります。管理の際には、患者自身が症状を観察し、医師に適切に伝えることが重要です。

まとめ

ステロイド外用薬離脱は、患者にとって深刻な影響を及ぼす可能性がありますので、医師と患者ともにその存在を理解し、予防策や適切な使用法の指導が求められます。

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