ステロイド外用薬

ステロイド外用薬の概要

ステロイド外用薬（トピカルステロイド）は、皮膚に直接適用するための抗炎症薬です。主成分は糖質コルチコイドまたはその誘導体で、皮膚のさまざまな炎症状態を治療するために広く使用されています。アメリカでは7段階、日本では5段階に強さが分類されています。

作用機序と薬理作用

これらの薬は、炎症を引き起こす物質（ヒスタミンやキニンなど）を抑制することで効果を発揮します。また、白血球の移動を阻止し、線維芽細胞の増殖も抑えることができます。これにより、皮膚の炎症が緩和されます。

製剤の種類

ステロイド外用薬には、軟膏、クリーム、ローション、テープ、ゾルなど、さまざまな製剤形態があります。たとえば、アトピー性皮膚炎のような乾燥性疾患においては、軟膏が好まれることが一般的です。

使用量

成人の場合、指先の先端から第1関節までの幅（約0.5g）が1回に使用する量の目安となります。この量は手のひら1枚分、約2%の対表面積に相当します。5gのチューブ1本で20回分（手のサイズ相当）となります。

力のランク

日本のスペックガイドラインでは、ステロイド外用薬の強さは5つの群に分かれています。症状の深刻さや発生部位に応じて使い分けがされています。一方、アメリカのガイドラインでは、強さが1群から7群までの7段階に分類されています。

主なステロイドのクラス

• - ストロンゲスト（Ⅰ群）: 例として、0.05%クロベタゾールプロピオン酸エステル。
• - ベリーストロング（Ⅱ群）: 例として、0.1%モメタゾンフランカルボン酸エステル。
• - ストロング（Ⅲ群）: 例として、0.3%デプロドンプロピオン酸エステル。
• - ミディアム（Ⅳ群）: 例として、0.3%吉草酸酢酸プレドニゾロン。
• - ウィーク（Ⅴ群）: 0.5%プレドニゾロン。

適応症

ステロイド外用薬は、急性湿疹、慢性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など、さまざまな皮膚疾患に対して用いられます。アトピー性皮膚炎の治療においては、重症の場合にタクロリムスなどの他の治療法へと移行することもあります。また、脂漏性皮膚炎に関しても抗真菌薬が使用されることがあります。

特に敏感な皮膚部位や高吸収部位には、長期的な使用や強力なステロイドの使用は避けるべきです。きちんとした診断に基づいて、必要な強さのステロイドを適切に選択することが重要です。

副作用

薬の使用には、いくつかの副作用が伴う可能性があります。特に真菌やウイルスに感染している場合、使用を避けなければなりません。強力なステロイドを長期間使用すると、副腎機能に影響を及ぼし、全身的な副作用を引き起こす可能性があります。

皮膚萎縮、毛細血管拡張やステロイドざ瘡といった副作用が現れることがありますが、多くは使用頻度を減らすことで改善します。しかし、長期使用により重症化するケースもあるため注意が必要です。

結論

ステロイド外用薬は効果的である一方で、副作用や適切な使用方法についての理解が欠かせません。症状に応じた適切な治療を行い、必要であれば皮膚科医に相談することが推奨されます。

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