ストック・エイトキン・ウォーターマン

ストック・エイトキン・ウォーターマン（SAW）

ストック・エイトキン・ウォーターマン（Stock Aitken Waterman）、通称SAWは、イギリスで結成された音楽プロデューサーチームで、1980年代に登場して以来、特にハイエナジーやユーロビートといったジャンルにおいて重要な役割を果たしました。本チームが手掛けた楽曲は、シンプルなメロディと耳に残るサビで構成されており、世界中で多くのリスナーに受け入れられました。

組織の概要

SAWの中心をなすのは、マイク・ストック（Mike Stock）、マット・エイトキン（Matt Aitken）、ピート・ウォーターマン（Pete Waterman）の三人で、彼らは楽曲の作詞・作曲・プロデュースを行っていました。ピート・ウォーターマンはPWL（Pete Waterman Limited）レコードを経営し、同社を通じて数多くのアーティストを支援しました。2008年には彼らの共同プロデュース活動は終了し、それぞれが個別に活動を開始しています。

主なアーティストには、カイリー・ミノーグやリック・アストリー、バナナラマなどが名を連ねており、ヒット曲を多数生み出しました。特にバナナラマの「アイ・ハード・ア・ルーマー」は非常に有名です。また、日本では女優の鈴木杏樹（Kakko）の音楽プロデュースも手がけました。

音楽スタイル

ストック・エイトキン・ウォーターマンが制作する音楽には、ポップなメロディと打ち込みビートが特徴的です。特に「ハイ・エナジー」と呼ばれるスタイルが人気で、これらの楽曲は一度聴いただけでSAWの作品だとわかるほどの特徴を持っています。彼らはオリジナル曲の制作だけでなく、過去のヒット曲のリバイバルも手がけ、これによりさらに多くのヒットを生み出しました。

1980年代の功績

1980年代はSAWにとって非常に重要な時期でした。彼らは「ハイエナジー・サウンド」を確立し、このジャンルはイギリス国内外で非常に人気を集めました。この時期には、バナナラマの「ヴィーナス」やキャロル・ヒッチコックの「ゲット・レディー」、さらにはスモーキー・ロビンソンの「レッツ・オール・チャント」など、数多くの楽曲をリリースし、これらは全て80年代らしいアレンジで再生されました。また、彼らの影響は日本の音楽シーンにも及び、いくつかのSAWスタイルのカバー曲が日本でヒットしました。

1990年代以降の展開

1990年代には、ピート・ウォーターマンが新たなプロデュースチームと共に活動を行い、ステップスやSCOOCHなどを手掛けました。そして、2000年代に入ると、マイク・ストックとピート・ウォーターマンが再びタッグを組んで楽曲提供を行うなど、彼らの音楽キャリアは続いています。

2010年には、ユーロビジョン・ソング・コンテストにてJosh Dubovieの楽曲を手際よくプロデュースし、結果として多くの票を集めるも、残念ながらファイナル進出は叶いませんでした。

近年の活動

最近では、ピート・ハモンドが多くのアーティストにリミックスを提供し、カイリー・ミノーグの新曲のリミックスも手掛けています。また、アーティストのピーター・ウイルソンはSAWメンバーと共作を行い、シーンに新しい風を吹き込んでいます。ストック・エイトキン・ウォーターマンの影響は今でも色濃く残っており、往年のサウンドがリスナーに再び楽しんでもらえる機会が増えています。

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