ストラルスンド封鎖

ストラルスンド封鎖：七年戦争におけるプロイセンの苦戦

ストラルスンド封鎖は、七年戦争中にプロイセン軍がスウェーデン領ポンメルンの首都ストラルスンドに対して行った軍事作戦です。この戦いは、プロイセン軍がスウェーデン軍の駐留部隊を攻撃する形で展開されました。しかし、プロイセン軍はストラルスンド港を完全に包囲することができず、陸上からの包囲に限定され、海上封鎖は不成功に終わりました。

背景：スウェーデンの参戦とプロイセンの反撃

1757年、スウェーデンはフランス、ロシア、オーストリア、ザクセンとの同盟に参加し、七年戦争に参戦しました。プロイセン軍が他の戦線で手一杯になっている隙を突いて、スウェーデン軍は南下し、ポンメルンの大部分を占領しました。しかし、グロース＝イェーゲルスドルフの戦い後、ロシア軍が東プロイセンから撤退すると、プロイセン王フリードリヒ2世はハンス・フォン・レーヴァルト将軍に命じ、西方のシュテッティンへ移動させ、スウェーデン軍に対抗させました。装備と練度で勝るプロイセン軍は、スウェーデン軍をスウェーデン領ポメラニアへと押し戻し、アンクラムとデミーンを占領、スウェーデン軍をストラルスンドとリューゲン島に追い詰めました。スウェーデン側は、フレドリク・フォン・ローセンを新たな指揮官に任命し、体制を立て直そうとしました。

封鎖の試みとその失敗

ストラルスンドが降伏しなかったため、プロイセン軍がこの都市を攻略するには海軍の支援が不可欠でした。フリードリヒ2世は同盟国であるイギリスに対し、バルト海への艦隊派遣を再三要請しました。しかし、イギリスはスウェーデンやロシアとの不要な紛争を避けるため、「戦艦は他の戦場でも必要」として、この要請を断りました。イギリス海軍の支援が得られなかったことが、プロイセン側の作戦失敗の大きな要因となりました。

封鎖期間中、プロイセン軍は占領下のスウェーデン領ポンメルンで兵士を強制的に徴募しました。一方、スウェーデンの戦意は低く、フランスはスウェーデンが戦線から離脱しないよう補助金を支給しました。さらに、フランスはスウェーデンの長年の宿敵であるデンマークにも資金を提供し、プロイセン側での参戦を阻止しようとしました。

その後：包囲の解除と戦争の終結

1758年の戦役が始まると、ストラルスンドを包囲していたプロイセン陸軍は、南下してロシア軍に対処する必要が生じ、撤退を余儀なくされました。これにより封鎖は解除されましたが、スウェーデン軍はプロイセン軍が1759年のクネルスドルフの戦いで大敗し、他の戦線に釘付けになるまで攻勢に出ることはありませんでした。9月にようやく戦闘を再開したスウェーデン軍は、フリシェス潟の海戦で勝利を収めましたが、その後は目立った戦果を上げることができませんでした。1762年にロシアが戦争から離脱すると、スウェーデンはハンブルク条約を通じてプロイセンと講和し、七年戦争から脱落しました。

ストラルスンド封鎖は、七年戦争におけるプロイセンの戦略的限界と、海軍力の重要性を示す事例と言えるでしょう。また、大国間の複雑な利害関係が、戦争の行方に大きな影響を与えることを示唆しています。

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