ストロムロ山天文台

ストロムロ山天文台

ストロムロ山天文台（Mount Stromlo Observatory, MSO）は、オーストラリア国立大学（ANU）天文・天体物理学研究学校に所属する天文台です。キャンベラ郊外のストロムロ山に位置し、長年にわたり天文学研究の中核を担ってきました。

歴史

1924年、コモンウェルス太陽天文台として設立されたこの天文台は、当初太陽と大気の観測を主な目的としていました。第二次世界大戦後、観測対象を星や銀河へと拡大し、名称もThe Commonwealth Observatoryに変更されました。

1946年には、オーストラリア国立大学がキャンベラに創設され、天文台は大学の研究施設として利用されるようになりました。大学のスタッフや大学院生が研究活動に参加し、天文台は研究拠点としての役割を強めていきました。1957年には正式にオーストラリア国立大学の機関となり、現在に至ります。

しかし、2003年1月18日、キャンベラを襲った大規模な山火事により、天文台は壊滅的な被害を受けました。ストロムロ山一帯は松林に囲まれており、火災によって5基の望遠鏡、作業場、建物などが焼失。奇跡的に、1868年製造の小型望遠鏡、ファーンハム望遠鏡（15cm）だけが被害を免れました。

現在、天文台は復旧作業が進められており、新たな望遠鏡の導入も計画されています。特に注目されるのは、新しい望遠鏡「スカイ・マッパー」です。これは、ANUの他の天文台に設置され、ストロムロ山天文台から遠隔操作される予定です。

位置

ストロムロ山天文台は、キャンベラ中西部のウェスタン・クリーク近郊、海抜770mのストロムロ山に位置しています。近くにはキャンベラの上水道給水所があり、天文台周辺の環境を支えています。

関連項目

とも座ρ星
オリン・エッゲン

外部リンク

ANU（英語）
ANU：Research School of Astronomy and Astrophysics（英語）
* スカイ・マッパー ウェブサイト

ストロムロ山天文台は、歴史の中で様々な困難に直面しながらも、天文学研究の最前線を走り続けてきました。今後の復興と新たな研究の進展が期待されます。

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