ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群

イギリスの世界遺産：ストーンヘンジとエーヴベリー

イングランド南部のウィルトシャー州には、太古の歴史を今に伝える世界遺産「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」が存在します。これは、ストーンヘンジを中心としたエリアと、エーヴベリーを中心としたエリアという、二つの地域から構成されています。それぞれのエリアは、約30キロメートル離れており、先史時代の巨石文化を象徴する貴重な遺跡群が点在しています。

ストーンヘンジと関連する記念建造物群

ソールズベリーの南に位置するストーンヘンジエリアは、約26平方キロメートルに広がる広大な登録区域です。その中心となるストーンヘンジは、世界的に有名な巨石建造物であり、紀元前3000年頃からの長い歴史を持つと推定されています。しかしながら、その建造目的や経緯については、いまだ解明されていない謎も多く残されています。

ストーンヘンジ以外にも、このエリアには多くの巨石建造物が含まれており、それらはストーンヘンジと共に世界遺産を構成しています。主な関連遺跡としては、ストーンヘンジの周囲に広がる「The Lesser Cursus」や巨大な環状列石「ダーリントン・ウォールズ」、そして「ウッドヘンジ」「コニーベリー・ヘンジ」「キング・バロウ・リッジ」「Winterbourne Stoke Barrow Group」「Normanton Down Barrow Group」「Vespasian's Camp」などが挙げられます。これらそれぞれの遺跡は、ストーンヘンジとは異なる特徴を持ちながらも、先史時代の社会や文化を知る上で重要な手がかりを提供しています。ストーンヘンジエリアのすぐ北には、「Robin Hood's Ball」という関連記念物も存在していますが、これは世界遺産登録区域からは除外されています。

エーヴベリーと関連する記念建造物群

ケネット地区の北ウィルトシャーに位置するエーヴベリーエリアは、約22.5平方キロメートルの広さを誇ります。中心となるのは、ストーンヘンジに匹敵する規模を誇るエーヴベリー・ヘンジです。紀元前3千年紀後半に建造されたと推定されており、ストーンヘンジと同様に、その建造目的は未解明な部分が多いです。

エーヴベリー・ヘンジ以外にも、このエリアには様々な関連遺跡が含まれており、それらも世界遺産登録の対象となっています。代表的なものとしては、「ケネット・アヴェニュー」「ベックハンプトン・アヴェニュー」「ウェスト・ケネット・ロング・バロウ」「ザ・サンクチュアリ」「シルバリー・ヒル」「ウィンドミル・ヒル」などがあります。これらの遺跡は、エーヴベリー・ヘンジと一体となって、先史時代の巨石文化の広がりと深さを物語っています。

世界遺産登録基準

「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」は、ユネスコの世界遺産登録基準のうち、以下の三つの基準を満たしていることから登録されています。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠

これらの基準に見られるように、この世界遺産は、人類の創造性と文化遺産の保存という観点から、非常に高い価値を持つものとして認められています。 ストーンヘンジとエーヴベリー、そして周辺の関連遺跡群は、先史時代の謎を解き明かす鍵となる貴重な存在であり、未来へと繋がる人類共通の宝と言えるでしょう。

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