スノーボードクロス

スノーボードクロス (Snowboardcross)

スノーボードクロス、略してSXまたはSBXは、スノーボードにおける競技の一つで、複数の選手が「スタートゲート」に並んで同時にスタートします。彼らは起伏やカーブがあるコースを滑り降り、順位を争います。この競技のスタイルは、オートバイのモトクロスや自転車競技のフォークロスと似ていることから、スノーボードクロスと呼ばれています。

概要

スノーボードクロスは、一般的に4～6人の選手が同時にスタートし、同じコースでレースをします。競技はノックアウト形式で行われ、選手たちは勝ち残りながら次のラウンドへ進んでいきます。ただし、予選では個々のタイムを競う場合も見られます。たとえば、トリノオリンピックでは、選手たちは2回滑ることでタイムを測り、良い方のタイムで順位が決まります。その後、男子は上位32名、女子は上位16名が決勝トーナメントに進出し、決勝では予選の順位に応じて4人ずつグループに分けられ、同時に滑走が行われます。上位2名が準決勝や決勝へ進む一方で、下位2名は順位決定戦に回ります。選手は通常、色分けされたビブを着用します。これは、番号表示のビブでは着順が判定しづらいためです。

競技中は選手同士の接触が頻繁に発生するため、選手はヘルメットやプロテクターを着用することが義務付けられています。故意に相手を妨害する行為は反則とみなされます。多人数での競技や接触、転倒が発生することから、「雪上の格闘技」と呼ばれることもあります。先行している選手がそのまま勝つとは限らず、前にいる選手が自信を持ちすぎて気を抜いたりすると、逆転されることがあります。実際、トリノオリンピックの女子決勝では、リンゼイ・ジャコベリスがゴール直前で転倒し金メダルを逃した例があります。このように、レースでは観客や視聴者もゴールの瞬間までハラハラしながら楽しむことができます。

歴史

スノーボードクロスは比較的新しい競技であり、元々はアルパイン競技者とフリースタイル競技者の双方が楽しめる「障害物レース」というコンセプトから生まれました。日本のスノーボード協会は1995-1996年シーズンから、またプロスノーボーダーズアソシエーション アジアは2000-2001年シーズンから正式種目としています。2000年以降、「スノーボードクロス」という名称が正式に使用されるようになりましたが、それ以前は「ボーダークロス」という名称で知られていました。日本では商標の問題から名称が変更された経緯があり、国際的には依然として「ボーダークロス」と呼ばれることが一般的です。冬季オリンピックでは、2006年のトリノオリンピックから正式種目として認められました。

コース

スノーボードクロスのコースは、スロープビルダーと呼ばれる技術者が設計・造成します。コースは約1000メートル前後で、複数のセクションやオブスタクル—キッカーやウェーブ、バンクなど—が設置されています。コースの難易度は、これらの構造物や旗門の配置によって変わります。スタートには専門のスタートゲートが設けられていますが、初期の大会や草大会ではゴムひもでのスタート合図も用いられたこともあります。たとえば、トリノ五輪で使用されたバルドネッキアのコースは約700メートルの長さです。

関連項目

• - スノーボード選手一覧
• - スキークロス
• - アイスクロス
• - 日本スノーボード協会 (JSBA)

公式ウェブサイトなどでさらなる情報を得ることも可能です。

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