スバル・レガシィ

スバル・レガシィ（Legacy）

レガシィは、スバル（旧・富士重工業）が手掛ける高級スペシャリティセダン及びステーションワゴンであり、その名は現在もクロスオーバーSUV「レガシィアウトバック」に受け継がれています。

概要

スバルの歴史は、1970年代のスバル・1000に始まり、代表的なエンジン技術である水平対向エンジンを有しており、アルシオーネSVXの販売終了後はスバルのフラッグシップモデルとしての役割を果たしました。レガシィは1980年代後半に、倒産の危機に直面した富士重工業を救う存在となり、4WD技術や設計に独自の特色をもたらしました。特に、ツーリングワゴンやB4といった多彩なバリエーションが国内外で人気を集め、レガシィを広く知らしめました。

ツーリングワゴンは後に「レヴォーグ」として独立し、B4は2020年の初めに販売を終了しました。2022年時点で日本国内において販売されている唯一のレガシィシリーズはレガシィアウトバックです。

初代モデル（1989年-1993年）

初代レガシィは、国内市場に新たな風を吹き込むべく開発されました。過度にアメリカ市場への依存による組織の硬直化が問題視され、富士重工業は大規模な組織改革を行い、新設計されたプラットフォームとボディデザインを採用しました。特にデザイン上は、航空機のキャノピーにインスパイアされた斜め切りのガラスが特徴的で、成功をおさめる要因となりました。

新しい水平対向エンジン「EJ型」も搭載され、全モデルに4バルブヘッド及び電子制御インジェクションが採用されています。この流れの中、初代モデルは日本国内で約26万台以上を販売し、大きな成功を収めました。

年表の一部

• - 1989年1月: レガシィセダンRSが走行平均速度223.345km/hの世界記録を樹立。
• - 1989年1月23日: アッパーミドルクラスとしてレガシィシリーズを発表し、翌月から販売開始。

2代目（1993年-1998年）

次世代レガシィの開発は「継承・熟成」をテーマに、先代からの良さを保ちながらも、5ナンバーサイズでありながら上級クラスに負けない走りと内部空間の広さを両立しました。この進化は商業的成功を収める原動力となります。

デザイン面では、前作の良さを踏襲しつつも新たなアイデンティティを確立しました。サスペンションの改良や鋭角的なデザインが評価され、セダン・ワゴン共に良好な売れ行きを記録しました。特にワゴン型SUV「アウトバック」の展開は北米市場をはじめ、多くの支持を集めました。

年表の一部

• - 1993年10月: 2代目レガシィがフルモデルチェンジして登場。
• - 1996年: マイナーチェンジを経て、さらなる改善と進化が遂げられました。

最新のモデル（6代目 2014年-2020年）

6代目では、ツーリングワゴンが廃止され、4ドアセダンの「レガシィB4」とクロスオーバーSUVの「レガシィアウトバック」が主力モデルとなりました。これにより、スバルのアイデンティティをさらに強調し、高い安全性能や快適性を乗せた魅力的な車両が提供されました。

特に「アイサイト」などの運転支援システムが採用され、衝突回避性能や先進技術も進化しました。日本国内外での安全性や快適性が評価され、レガシィのブランドイメージを高めています。

年表の一部

• - 2019年10月: 日本国内向けレガシィB4の受注を終了。
• - 2020年6月: 日本国内でのレガシィ販売が完了し、アウトバックへの移行が進みました。

生産と供給

レガシィは日本国内では群馬県で生産され、アメリカのインディアナ州でも製造されています。「レガシィ」とは大いなる伝承物を意味し、その名の通り、長い歴史と多くの支持を受けた自動車の象徴ともいえる存在です。

今もなお、レガシィの名前を冠する車両は多くのドライバーの期待に応え、特別な存在であり続けています。

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