スバル・EE20

スバル・EE20エンジンの概要

スバル・EE20は、富士重工業（現在のSUBARU）が設計した水平対向4気筒ディーゼルエンジンです。主に4代目レガシィシリーズを皮切りに、インプレッサやフォレスターなどのモデルに搭載されています。このエンジンの設計は、特有の構造を持ち、スバルのエンジンラインアップにおいて重要な役割を果たしています。

基本仕様

EE20エンジンの基本スペックは次の通りです。シリンダ配列は水平対向4気筒、燃料は軽油を使用します。動粋な性能を支えるため、DOHC 16バルブを採用し、燃料供給にはコモンレール式を利用しています。さらに、可変ノズルターボチャージャーによって、過給性能を向上させており、エグゾーストガス再循環（EGR）システムは水冷式となっています。

詳細スペック

• - 排気量: 1,998cc
• - 内径×行程: 86.0 mm × 86.0 mm （内径と行程が同長）
• - 圧縮比: 16.3
• - 出力: 110 kW (150 PS) / 3,600 rpm
• - トルク: 350 N·m (35.7 kgf·m) / 1,800 - 2,400 rpm

EE20エンジンの特筆すべき点は、他のディーゼルエンジンに比べて内径と行程が同じであることです。通常、ディーゼルエンジンでは行程を長くする方が効率的ですが、EE20は、エンジンを車両のサイドフレームに収めるためにこのような設計がなされました。このため、従来のスバルの水平対向エンジンに見られる短い行程の設計とは異なります。

設計上の特徴とアドバンテージ

EE20エンジンのボアピッチやバンクオフセットは、スバルのEZ型エンジンと同じであり、設計思想はEZ型エンジンを元にしていると言えます。それにもかかわらず、ディーゼルエンジンに求められるパフォーマンスが異なるため、共通点は他の部位ではあまり見られません。さらに、水平対向エンジンはその構造上、不平衡慣性力が生じないため、バランスシャフトが不要です。その結果、低慣性モーメント、低摩擦、および軽量化が実現されています。

搭載車種

このEE20エンジンは、現在流通しているスバル車の中では、欧州仕様の車両に限定して搭載されています。代表的なモデルには以下があります：

• - レガシィ
• - アウトバック
• - インプレッサ
• - フォレスター

歴史と展開

EE20エンジンの歴史は2007年に始まります。第77回ジュネーブ国際モーターショーで、富士重工業は世界初の水平対向ターボディーゼルエンジンを発表しました。その後、2008年にはEuro4規制に対応したモデルが、レガシィとアウトバックに搭載されることが明らかにされました。

さらに同年のモンディアル・ド・ロトモビルイベントで、フォレスターとインプレッサへの搭載も発表されました。この際、6速MTトランスミッションが組み合わされており、環境性能の向上にも力を注ぎました。2009年には、Euro5規制に対応した新型レガシィがフランクフルトモーターショーで出展され、EE20エンジンの人気が再確認される結果となりました。

まとめ

スバル・EE20は独特な設計と高い性能を持つディーゼルエンジンであり、スバル車の性能向上において重要な存在です。水平対向エンジンの利点を活かしつつ、モデルごとに適切な配置で搭載され、求められる性能を満たしています。その技術は、エコ性能や運転の楽しさを両立させており、多くの自動車愛好者から愛される存在です。

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