スバル・EL15

スバル・EL15エンジンについて

スバル・EL15は、富士重工業（現在はSUBARU）が製造した水平対向4気筒のガソリンエンジンであり、2006年から2011年までスバル・インプレッサシリーズに採用されました。このエンジンは、前モデルであるEJ15の後継機種として位置付けられています。

概要

EL15は2006年にリリースされたインプレッサシリーズの部分改良版に追加された「1.5Rグレード」にて初めて搭載されました。従来の「1.5i」グレードには引き続きEJ15が搭載されていましたが、2007年に3代目インプレッサのフルモデルチェンジが行われた際には、1.5Lグレード「15S」およびその後の「1.5i」でもEL15が採用されることとなりました。この時点でEJ15は、スバルの1.5Lエンジンモデルから姿を消し、完全にEL15に置き換わったのです。

日本国内のみならず、海外市場においても、地域によって異なる時期にEJ型エンジンからEL15への移行が進められました。具体的には、3代目インプレッサの全モデルでEL15が採用されるようになり、EJ15やEJ16は過去のものとなりました。

基本仕様

• - エンジンの種類: 1.5L DOHC 16バルブ EGI
• - 排気量: 1,498 cc
• - 内径 x 行程: 77.7 mm × 79.0 mm
• - 圧縮比: 10.1
• - 最大出力: 110 PS (81 kW) / 6,400 rpm
• - 最大トルク: 14.7 kgf·m (144 N·m) / 3,200 rpm
• - 使用燃料: 無鉛レギュラーガソリン
• - 可変動弁機構: 吸気AVCS

EL15の基本仕様は、2007年に行われたインプレッサのフルモデルチェンジを受けて、大幅な改良が加えられたこともあり、シリンダーヘッドやピストンなどの主要部品が変更されています。

構造と部品の共通性

シリンダーブロックのボアピッチは113 mmで、EJ型エンジンと共通しており、クランクシャフトとコンロッドにはEJ25の技術が流用されています。シリンダーヘッドに関しても、EJ型エンジンをベースとした設計がなされ、AVCSのための部品もEJ型と同一のものが使用されています。このように、EL15はその構造や部品においてEJ型エンジンとの共通点が多く、外観上でも見分けがつきにくいのが特徴です。

EJ型エンジンとの関係

EL15は基本的には新たなエンジンというよりも、EJ型エンジンシリーズの延長と考えることができます。EL15の登場以降、EJ型エンジンの後継としてEL20やEL25が開発されるとの噂もありましたが、実際にはEJ20やEJ25が引き続き使用されました。EL15自身はEJ型エンジンシリーズの一つであって、さらに新世代のボクサーエンジンであるFB型エンジンが2010年9月に開発されることが発表されて、EJ型エンジンはその歴史を終えたのです。

結論

スバル・EL15は、スバルのエンジン技術の進化を象徴する存在であり、インプレッサシリーズの性能と信頼性を支える重要なエンジンでした。その設計は過去のEJ型エンジンとの関係を強く保ちながらも、新たな時代のニーズに対応した技術革新を実現しています。

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