クランクシャフト

クランクシャフトについて

クランクシャフトは、エンジンの重要な構成要素であり、ピストンなどの往復運動を回転運動に変換する役割を担っています。このシャフトはクランク機構によって駆動されており、クランクピンを介してコネクティングロッドと結びついています。クランクシャフトの形状には曲軸や屈曲軸などがありますが、特に自動車エンジンにおいては主に反時計回りで回転するものが一般的です。

構造と機能

クランクシャフトの構成要素には、エンジン側の軸受けがついている「クランク・ジャーナル」、ピストンとコネクティングロッドの接続部である「クランクピン」、そしてそれらをつなぐ「クランクアーム」が含まれます。ピストンとコネクティングロッドの運動に伴う慣性力を軽減するために、これらのシャフトにはバランスウエイトが取り付けられています。近代的なエンジンでは、クランクアームとバランスウエイトは一体化され、板状の「クランクウェブ」を形成することが多くなっています。

バランスウエイトには「フルカウンターウエイト」と「セミカウンターウエイト」があり、フルカウンターウエイトの方が振動を抑制し、高い出力を得られるとされていますが、生産コストや重量の増加が問題となるため、用途に応じて最適な独自の形式が選ばれています。

バランサーシャフトとの関連

クランクシャフトにおいては、通常、バランスウエイトとともにバランサーシャフトが使用されることが一般的です。特に、アメリカ車で多く見られる90度バンクのV型8気筒エンジンでは、振動を均等にするために、4気筒分のクランクピンを90度ずつ配置する「クロスプレーン」型のクランクシャフトが採用されてきました。最近では、一部のオートバイの直列4気筒エンジンでも不等間隔の点火順序と共にこの配置が利用されており、振動の低減だけでなく、出力向上を目的とした設計となっています。

クランクシャフトの応用

また、クランクシャフトの基本的な原理は、エンジンに限らず様々な機器で利用されています。水車や風車、レシプロ式圧縮機などでは、逆に外部の動力源からクランク軸を回転させて、必要な往復運動を得るといった利用方法が一般的です。当初はクランクシャフトが1206年にアル＝ジャザリによって文献に記述されたのが最古とされており、その後の機械技術の進化とともに重要性は増す一方です。

クランクシャフトは、エンジンの性能や効率に密接に関わっているため、特にその設計や実装方法は技術的な側面からも多くの注目を集めています。様々な設計が存在するため、メーカーやモデルによってその特性や性能に大きな違いがあります。

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