スバル・R-2

スバル R-2 (アールツー)

R-2は、富士重工業（現在のSUBARU）が1969年に市場に登場させた軽自動車です。この車は、長年愛用されていたスバル360の後継として、キャッチコピー「ハードミニ」を掲げて販売されました。

スバル360は1958年に登場し、多くの改良を重ねてきましたが、1967年にはホンダからN360が登場し、その低価格と高出力が評価されたため競争が激化しました。そのため、R-2はスバル360の基本的なメカニズムを基にしながらもさらなる進化を遂げたモデルとして登場しました。

特徴とデザイン

R-2は、ホイールベースがスバル360よりも120mm延長されているため、広い室内空間を提供することが可能になりました。また、トランクスペースを新たに設け、アルミ合金製のシリンダーブロックやリードバルブを採用することで、軽量化と性能向上を図っています。

デザイン面では、ボディ外寸が全長2995mm、全幅1295mm、高さ1345mmに設定されており、スバル360と比べてほぼ同じサイズながら、内部のスペースが有効活用されています。特に、後部には210リットルのトランクルームが確保され、家族旅行にも対応可能な設計となっています。フロントのデザインはシンプルで、三角窓を排除したモノコック構造を採用しています。

エンジンとトランスミッション

R-2に搭載されているエンジンは、スバル360のEK32型を基にしたEK33型で、最高出力30PSを発揮します。各モデルには異なる性能のエンジンが設定されており、1970年にはスポーティモデルの「SS」や「スポーティーデラックス」が追加されました。

トランスミッションは、3速から4速のフルシンクロメッシュに改良され、オートクラッチ機能を継続して装備していますが、スバル360に設けられていた副変速機構は廃止されています。

水冷エンジンの登場

1971年にEK34型の水冷エンジンを搭載した「L」シリーズが登場しました。この水冷エンジンは、エンジンの扱いやすさを向上させるために設計され、最大出力32PSを生み出します。しかし、R-2の設計が水冷化を想定していなかったため、冷却配管に関する問題が発生し、販売期間はわずか9か月に留まりました。

生産と販売の歴史

R-2は1969年8月15日に発売され、その後も複数のモデルチェンジやバリエーションが追加されました。1972年には水冷エンジンを搭載したモデルがカタログから削除され、空冷エンジンのみに移行しました。そして1973年には、後継のレックスの登場によりすべてのモデルの販売が終了しました。

この車両の総生産台数は289,555台に達し、その名はスバル・R2として今も親しまれている軽自動車の歴史の一部として残っています。

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