スバル・R2

SUBARU R2（アールツー）

SUBARU R2は、富士重工業（現在のSUBARU）が2003年から2010年にかけて製造・販売した軽自動車です。この車は、居住性を重視した軽トールワゴンが主流だった当時において、デザインと走行性能に焦点を当てている点が特に注目されました。発売開始の日付は2003年12月8日で、キャッチコピーは「新しいミニカーのカタチ」として広められ、初代のCMキャラクターとしてUAが起用されました。

R2のボディタイプは、5ドアハッチバックのみ。エンジンは660ccの直列4気筒が使用され、SOHC 8バルブ自然吸気、AVCS付きDOHC 16バルブ自然吸気、さらにインタークーラー付きDOHC 16バルブスーパーチャージャーの3種類がラインナップされていました。その中で、スーパーチャージャー搭載グレードを除くほとんどのモデルが「環境対応車普及促進税制」に適合し、特にDOHCエンジンを搭載したグレードは燃費が24.5km/Lと非常に優れたものでした。トランスミッションは、スーパーチャージャーグレードが7速CVTを採用し、他のグレードはCVTや一部が5速MTに対応しています。

駆動方式には前輪駆動と四輪駆動が選べ、サスペンションは前がL型ロアアーム・ストラット式、後がデュアルリンク・ストラット式の独立懸架となっています。販売台数の目標は月に8,000台と設定されていました。フロントには航空機のデザインをモチーフにした「スプレッドウィングスグリル」が装備され、バックドアオープナーに使われた六連星エンブレムは当時のスバル車で最大のものでした。

R2のグレード構成は「i」、「R」、「S」の3種類で、価格帯は86万円から140万円となっています。2004年には特別仕様車「i+」が登場し、同年11月には一部改良が実施され、新しいグレードや特別仕様車が追加されました。フロントバンパーのデザイン変更も行われ、「S」仕様はアルミホイールとマフラーカッターの改良がなされました。さらに、運転席ヘッドレストのデザインも見直され、後席トリムの形状変更もありました。

2005年には特別仕様車「Utility Package」や「Custom TypeS」が追加され、快適性能やスポーティ性が向上しました。2006年以降も、燃費向上を図った特別仕様車の追加や内装の改良が行われ、その後のモデルでも新たなボディカラーや特別仕様車が次々と登場しました。

2008年にはスバルの50周年を祝う記念特別仕様車「FAVORITE Edition」が発売され、最新技術を取り入れたモデルが展開されました。最終的に2010年に生産は終了され、R2の累計生産台数は13万3833台という数に達しました。

車名の「R2」は、従来の軽自動車とは一線を画する新しい価値観を示しており、スバルらしい独自の世界観を強く表現しているのが魅力です。

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