スパイダーウーマン (アニメ)

スパイダーウーマン (テレビアニメシリーズ)

『スパイダーウーマン（Spider-Woman）』は、マーベル・コミックが出版するコミックブックに登場する同名の女性スーパーヒーローを題材にした、アメリカで制作されたテレビアニメーションシリーズです。アニメーション制作はディパティエ・フレレング・エンタープライズとマーベル・コミックス・アニメーションが共同で行いました。本シリーズは、アメリカ国内のテレビネットワークであるABCにて、1979年9月22日から1980年1月5日までの期間にわたって放送されました。全16話が制作されたとされています。しかし、日本国内での放送履歴に関する具体的な情報は、現在まで確認されていません。

主人公 ジェシカ・ドリュー

物語の中心となる主人公は、ジェシカ・ドリューです。彼女がスパイダーウーマンとして活躍するに至った背景には、劇的な出来事がありました。ジェシカが幼い頃、誤って毒蜘蛛に噛まれてしまうという生命の危機に瀕した事故が発生しました。幸いにも、科学者であった彼女の父親が、特別に開発した「スパイダー・セラム」と呼ばれる血清を迅速に投与したことで、ジェシカは一命を取り留めます。この血清の投与が、彼女に常人を超えた能力をもたらすことになります。以降、ジェシカはこの能力を用いて、悪と戦い、人々を守るスパイダーウーマンとしての活動を開始します。

物語を彩るキャラクターたち

ジェシカ・ドリューの周囲には、彼女の日常や冒険に関わる様々なキャラクターが登場します。

ジェフ・ハント: ジェシカの友人であり、職業はカメラマンです。時に彼女の活動をサポートすることもあるようです。（原語版声優: ブルース・ミラー）
ビリー・ドリュー: ジェシカの甥にあたる少年です。ジェシカを「ジェシカおばさん」と呼び、親しみを感じています。彼の存在は、ジェシカの人間的な側面を描く上で重要です。（原語版声優: ブライアン・スコット）
ミラー: 探偵として登場する人物です。事件の調査などでジェシカと接点を持つことがあるようです。（原語版声優: ラリー・キャロル）
ポリス・チーフ: ニューヨーク市警の警察署長です。スパイダーウーマンの活動に対し、理解を示すこともあれば、その特異性から警戒を示すこともあるでしょう。（原語版声優: ルー・クルーグマン）

また、マーベル世界を代表するヒーローであるピーター・パーカー、ことスパイダーマンも、第1話にゲストキャラクターとして登場します。彼の声は、1960年代のアニメシリーズでもスパイダーマンを演じたポール・ソールズが担当しました。

敵キャラクターとしては、キングピンが登場しますが、原語版の声優は情報がありません。

番組のオープニングナレーションはディック・トゥフェルド氏が担当し、スパイダーウーマンの秘密のオリジンストーリーを語り聞かせます。

映像ソフト化とデジタル配信

本シリーズは、放送終了後、複数のメディアでリリースされてきました。アメリカでは、1982年に初めて、複数エピソードを収録した約100分尺のVHSテープが発売されました。

1980年代半ばには、「マーベル・コミックス・ビデオ・ライブラリ」というVHSシリーズにも一部エピソードが収録されています。具体的には、第6巻、第13巻、第23巻にそれぞれ「The Spider-Woman and the Fly」、「Games of Doom」、「Pyramids of Terror」が収められました。第6巻は1991年に再リリースもされています。

DVDとしては、2008年に「Spider-Woman vs. The Fly」というタイトルでアメリカにてリリースされています。

リージョン2形式（日本など）でのDVD化は、当初2008年にリベレーション・エンターテインメントが予定していましたが、同社の破産により一度は頓挫しました。しかし、その後2009年7月20日に、Clear Vision（クリア・ビジョン）社から2枚組DVDセットとして改めてリリースされ、入手可能となりました。

デジタル配信に関しては、アメリカ国内では、ディズニーの公式ストリーミングサービスであるDisney+がサービスを開始した2019年11月12日より、本シリーズもラインナップに追加され視聴が可能となりました。しかし、現在のところ、日本版Disney+を含む日本国内での正式な配信に関する情報は確認されていません。

『スパイダーウーマン』は、スーパーヒーローアニメとして、主人公ジェシカ・ドリューの出自や活躍を描きつつ、マーベルユニバースの一端を垣間見せる作品です。長年にわたり様々な形態でファンに届けられてきましたが、日本での展開は今後の状況が待たれます。

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