ポール・ソールズ

ポール・ソールズ：カナダのマルチタレント

ポール・ソールズ（1930年8月11日 - 2021年5月26日）は、カナダのエンターテインメント界で多大な貢献を果たした人物です。俳優、声優、テレビパーソナリティと、その才能は多岐に渡り、長年にわたり人々に愛され続けました。本名はポール・ロバート・ソールズ。

輝かしいキャリア：俳優としての活躍

ソールズは、数々のテレビ番組や映画に出演し、幅広い役柄を見事に演じきりました。1964年のテレビスペシャル『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』では、ハーミィ役の声優として、子供たちに深い感動を与えました。1960年代後半には、人気アニメシリーズ『マーベル・スーパーヒーローズ』でブルース・バナー／ハルクとリック・ジョーンズの声を担当。さらに、同時期に放送された『スパイダーマン』では、ピーター・パーカーをはじめ、様々なキャラクターを演じ分け、視聴者を魅了しました。

1970年代には、カナダのCBCテレビのパネルクイズ番組『ディス・イズ・ザ・ロー』でザ・ロー・ブレイカー役として出演。お昼のドラマ『リバーデール』では、コスタス・スタブロス役を演じるなど、テレビドラマでも活躍の場を広げました。映画界においても、80年代、90年代にかけて『Ticket to Heaven』（1981年）、『Just The Way You Are』（1984年）、『ケビン・コスナーのガンランナー』（1989年）など、様々な作品に出演し、確かな演技力を披露しています。2008年の映画『インクレディブル・ハルク』では、ピザ店のオーナー、スタン・リーを演じ、カメオ出演ながら存在感を示しました。

声優としての卓越した才能

俳優としての活動と並行して、ソールズは声優としても卓越した才能を発揮しました。1960年代から1990年代にかけて、数々のアニメーション作品で声優を務め、その幅広い声質と表現力は、多くのキャラクターに命を吹き込みました。

代表作としては、『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』のハーミィ役、『マーベル・スーパーヒーローズ』のブルース・バナー／ハルクとリック・ジョーンズ役、『スパイダーマン』のピーター・パーカー役などが挙げられます。2005年のテレビアニメ『Funpak』ではコミッショナー役、1972年の『The Wonderful Stories of Professor Kitzel』ではナレーターとして参加。2005年のアニメ映画『ハイジ』（日本未公開）ではルブー博士の声を担当するなど、その活動は多岐にわたります。アカデミー賞ノミネート作品であるアニメーションドキュメンタリー『The Colours of My Father: A Portrait of Sam Borenstein』ではナレーションを務めました。また、2011年のテレビアニメ『detentinaire』ではマックス・ウェルの声を演じました。

テレビパーソナリティとしての魅力

ソールズは、カナダのテレビ界において、パーソナリティとしても活躍しました。CBCテレビの深夜コメディ番組『カナダ・アフター・ダーク』への出演や、ニュースマガジン番組『テイク30』への長年にわたる出演は、視聴者から高い人気を博しました。さらに、1960年代初頭には、CFPL-TVのゲーム番組『Take Your Choice』の司会を務めた経験も持っています。

ドキュメンタリー番組のプロデューサーとしての顔も持ち、『The World Around Us』シリーズでは、イギリスの撮影クルーと協力し、イギリス生活の様々な側面を記録しました。この作品制作において、デニーズ・ゴールデン、ジム・プラント、トム・アシュウェル、ジョン・ボイントンらと協働しています。

受賞歴

ソールズの才能は高く評価され、数々の賞を受賞しました。2006年には、ミニアニメ『Terminal City』での役柄でジェミニ賞を受賞。2017年には、コメディ番組『My 90-Year-Old Roommate』での演技が認められ、カナダ・スクリーン・アワードを受賞しました。

家族と親族

ソールズには妻のルーシーと複数の子供、孫がいます。著名な声優であるバーナード・コワンとはいとこ同士であり、1960年代のオリジナルアニメシリーズ『スパイダーマン』などで共演しました。

日本語吹き替え

ソールズが出演した作品には日本語吹き替え版が制作されており、数多くのベテラン声優が彼の声を担当しました。例えば、『スコア』では北村弘一、『インクレディブル・ハルク』では間宮康弘、『スパイダーマン』では富山敬、田中秀幸、加藤治、『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』では八代駿、津久井教生、高坂宙らが彼の声を演じています。

結論

ポール・ソールズは、カナダのエンターテインメント界に多大な貢献をした、真のマルチタレントでした。俳優、声優、テレビパーソナリティとして、長年にわたり人々に喜びと感動を与え続け、その功績は後世に語り継がれるでしょう。2021年5月26日、睡眠中に自然死で亡くなりました。享年90歳。彼の死は、カナダのエンターテインメント界に大きな損失をもたらしました。

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