スパゲティコード・ラブ

映画『スパゲティコード・ラブ』

概要

本作は、2021年11月26日に公開された日本の長編映画です。CMディレクターとして知られる丸山健志氏の、劇場用長編映画としては初の監督作品となります。物語の中心となるのは、それぞれの人生を生きる13人の若い世代の人々。彼らの日常や抱える悩み、喜び、そして人間関係が、まるで一本の糸のように複雑に絡み合いながら展開していく様子を、群像劇として丁寧に描き出しています。タイトルの「スパゲティコード」とは、元々はプログラミングの世界で使われる専門用語で、解読や修正が極めて困難なほど、複雑に入り組んで整理されていない状態のコードを指します。この言葉がタイトルに冠されていることは、登場人物たちの関係性や、彼らが向き合う現代社会の複雑さそのものを象徴していると言えるでしょう。

映画祭での評価

『スパゲティコード・ラブ』は、その革新的な表現や現代的なテーマ性が評価され、国内外の権威ある映画祭にて正式に選出され、上映されています。特に、第34回東京国際映画祭では「Nippon Cinema Now 部門」に、第24回上海国際映画祭では「GALA部門」に、第15回ニューヨークJapan Cutsでは「Next Generation部門」に、そして第40回バンクーバー国際映画祭では「Gateway部門」にそれぞれ選ばれました。これらの実績は、作品が持つ国際的な通用性や、次世代を担う日本の映画作品として広く認知されたことを示しています。

キャスト

物語を彩る13人の若者たちには、実力と個性を兼ね備えた多彩な俳優陣が集結しました。主要な役柄として、羽田天を倉悠貴、桜庭心を三浦透子、大森慎吾を清水尋也、黒須凛を八木莉可子、日室翼を古畑新之、赤羽圭を青木柚、千葉桜をxiangyu、綾瀬夏美を香川沙耶、小川花を上大迫祐希、宍戸一樹を三谷麟太郎、渋谷桃子を佐藤睦、目黒梅子をゆりやんレトリィバァ、そして剣持雫を土村芳がそれぞれ演じています。さらに、劇中に登場するアイドルグループ「U+P」のメンバーとして、≠ME（ノットイコールミー）から冨田菜々風、蟹沢萌子、鈴木瞳美、河口夏音、川中子奈月心が出演しており、物語にリアリティと華やかさを加えています。

スタッフと音楽

監督の丸山健志氏のもと、映画制作を支えたスタッフも各分野のプロフェッショナルが集まりました。脚本は蛭田直美、撮影は神戸千木が担当し、複雑な物語世界と都市の風景を映像として見事に構築しています。音楽はオーディオフォースが手掛け、本作の世界観を印象づけるサウンドトラックを提供。特に、主演キャストの一人である三浦透子が歌う「Never」が主題歌として採用され、作品のテーマと響き合う力強い楽曲となっています。また、≠MEの楽曲「誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか?」（シングル「まほろばアスタリスク」収録）が挿入曲として使用され、特定のシーンに深みを与えています。その他、プロデューサーの原田英樹、制作プロデューサーの堀江佳輝をはじめ、照明、録音、美術、キャスティング、スタイリスト、ヘアメイク、編集、VFX、カラリスト、サウンドデザイナー、助監督、制作担当といった多岐にわたる役割のスタッフが、本作の完成に貢献しています。

制作・配給

本作は「スパゲティコード・ラブ」製作委員会の製作により実現し、制作プロダクションはPYRAMID FILMが担当しました。配給および宣伝はハピネットファントム・スタジオが行い、作品を劇場へと届けました。

まとめ

『スパゲティコード・ラブ』は、現代を生きる若者たちが直面する、複雑で予測不可能な人間関係や感情の交錯を、都市を舞台にリアルに描き出した青春群像劇です。タイトルに込められた意味のように、簡単には解きほぐせない彼らの人生模様は、観る者に多くの共感や問いを投げかけます。国内外で評価されたこの作品は、これからの日本映画界を担う新たな才能と、多様な俳優たちの競演が見どころと言えるでしょう。

もう一度検索