スピーシーズ 種の起源

概要

『スピーシーズ 種の起源』（原題: Species）は、1995年に公開されたアメリカのSFホラー映画であり、地球外知的生命体からのメッセージに基づく恐怖の物語が展開されます。この作品は、未知のDNAを持つ生命体の誕生からそれに伴う人間との葛藤を描き、多くの観客に衝撃を与えました。

ストーリー

この物語は1974年に遡ります。地球の科学者たちはアレシボ・メッセージを通じて、地球の人口やDNAに関する情報を宇宙に発信しました。それから約20年後、1993年に未知の宇宙生命体からの返信を受け取ります。そのメッセージには、人類を改造することが可能な新たなDNAの情報が含まれていました。

科学者たちは、このメッセージの送り手が友好的であると考え、そのDNAを使ってヒトの卵子と結合させる実験を実施します。遂に受精が成功し、個体が急速に成長していき、少女の姿を持つ「シル」が誕生します。しかし、シルは寿命が短く、またその凶暴性が危惧され、研究責任者のザビエ・フィッチは殺処分を決定します。シルはその決定の前に脱走し、フィッチはシルを追うチームを招集します。

このチームは、生物学者ローラ、人類学者アーデン、霊能力者ダン、そして解決屋プレスから成り立っています。シルは逃亡の最中、自らの成長を遂げるためにクラブでナンパされますが、その男を拒絶して殺してしまいます。これによりチームの焦りが増し、シルの行動を制止するために追跡を続けます。

シルは最終的に、逃げた先の事故を利用して自らの死を偽装しますが、ニヒルなアーデンとの接触を果たします。しかし、彼女の真の正体は時すでに遅く、アーデンを殺した後はフィッチをも陥れることに成功。シルの触手で攻撃され、次々と人々が命を失っていきます。彼女のエイリアン形態の変身も恐怖を与え、最終的な衝突ではプレスが彼女を撃退することができますが、謎の子供が新たな脅威をもたらします。

興行と続編

映画『スピーシーズ』は、1995年7月7日に全米で公開され、週末の興行収入は1710万ドルを記録しました。この数字は当時の興行成績で『アポロ13』に次ぐ第2位となり、MGM映画史上最大の興行収入となりました。製作費3,500万ドルに対して、全世界で1億1,300万ドルの収益を上げたこの作品は、続編の製作へと繋がります。

続編には『スピーシーズ2』や『スピーシーズ3 禁断の種』、さらには新たなキャラクターが登場する『スピーシーズ4 新種覚醒』などがあります。これらの作品は、同じキャラクターや設定を基にしており、ファンを魅了し続けています。

登場人物

• - ザビエ・フィッチ（演：ベン・キングズレー）

シルを生み出した研究所の責任者であり、ワンマンな性格が目立つ。彼は自らの判断でシルの処分を優先し、結果として彼女に命を奪われる。

• - プレス・レノックス（演：マイケル・マドセン）

問題解決屋であり、ニヒルな性格だが運の良い人物。シルとの対決を経て、ローラと恋仲になる。

• - スティーブン・アーデン（演：アルフレッド・モリーナ）

女好きな人類学者で、シルに致命的な運命をもたらされた。

• - ダン・スミスソン（演：フォレスト・ウィテカー）

霊能力者で慎重な性格。シルの正体にいち早く気付く。

• - ローラ・ベイカー（演：マーグ・ヘルゲンバーガー）

分子生物学者で、プレスと親密な関係に。シルの動きを抑えるために重要な役割を果たす。

• - シル（演：ナターシャ・ヘンストリッジ）

異星人のDNAを持つ生命体で、凶暴かつ策略に優れた存在。彼女の成り行きが映画の主要なテーマを占める。

制作情報

本作の制作には、フランク・マンキューソ・ジュニアやデニス・フェルドマンが携わり、監督はロジャー・ドナルドソンが務めました。また、特撮デザインはH・R・ギーガーが担当し、彼の独特なダークなスタイルが作品に大いに寄与しています。特に新人女優ナターシャ・ヘンストリッジの存在は話題となり、映画の成功に繋がった要因の一つとされています。

このように、『スピーシーズ 種の起源』は、SFとホラーの交錯する緊迫した物語を描き出すことで、今なお多くのファンに愛され続けています。

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