スプートニク (映画)

スプートニク (2020)

『スプートニク』（原題：Спутник）は、2020年に制作されたロシアのSFホラー映画。冷戦下のソ連を舞台に、宇宙飛行士に寄生したエイリアンと、その分離に挑む精神科医の姿を描いた作品。

あらすじ

1983年、宇宙ステーションから帰還中のソ連の宇宙船オービタ4で事故が発生。宇宙飛行士コンスタンティン・ヴェシュニャコフは生還するが、同乗していたもう一人の飛行士は死亡する。

精神科医タチアナ・ユリエヴナは、過去の治療を問題視され解雇されるが、セミラドフ大佐からある患者の診察を依頼される。カザフの研究所で隔離されていたのは、帰還時の記憶を失ったコンスタンティンだった。タチアナは彼がエイリアンに寄生されていることを知り、エイリアンを分離させるために協力することになる。

研究所では、エイリアンに囚人を生贄として与えていることが判明。タチアナは非人道的な行為に憤り、コンスタンティンにエイリアンの存在を明かし脱走を計画する。

登場人物

タチアナ・ユリエヴナ: 精神科医。型破りな治療を行うため、周囲からは疎まれている。
コンスタンティン・ヴェシュニャコフ: 宇宙飛行士。エイリアンに寄生されていることに気付いていない。息子に会うことを願っている。
セミラドフ大佐: 研究所の管理者。エイリアンの存在を隠蔽し、兵器化を企む。
ヤン・レオニードヴィチ・リーゲル: 研究所の研究局長。タチアナに嫉妬心を抱く。
アヴェルチェンコ: 宇宙飛行士。コンスタンティンと共に宇宙船に乗っていた。
エイリアン: コンスタンティンに寄生した地球外生命体。恐怖を感じた時に分泌されるコルチゾールを食料とする。

ストーリーの核心

タチアナはエイリアンとコンスタンチンの関係を調査するうちに、エイリアンがコンスタンチンの記憶力と社会性を奪い、体外にいる時間を延ばしていることを突き止める。彼女はコンスタンチンをモスクワの研究施設に移送しようとするが、セミラドフ大佐によって阻止される。

監視カメラの記録映像から、エイリアンが研究所の隔離部屋から出て、檻に入れられた囚人を捕食している事実を知る。エイリアンは恐怖を感じた時に分泌されるコルチゾールを食べており、これはセミラドフ大佐の命令によるものだった。

タチアナはコンスタンチンにエイリアンの存在を伝え、脱走を試みる。コンスタンチンは記憶を失ったふりをしながら、研究所で行われている非人道的な実験を委員会に訴えようとしていた。しかし、セミラドフ大佐はタチアナがエイリアンの食事に気づいたことを知り、彼女を呼び出してエイリアンを兵器化する計画を打ち明ける。

タチアナはエイリアンの食事に立ち会うことを命じられ、自ら檻に入る。恐怖を抑え、コンスタンチンの好きな歌を歌うと、エイリアンは大人しくなる。セミラドフ大佐はエイリアンを制御できると判断し、分離を指示するが、タチアナは既に分離方法を見つけていた。エイリアンはアジソン病を苦手としており、コンスタンチンに薬品を投与して発症させれば、エイリアンを体外に出せるのだ。

結末

タチアナはリーゲルの協力を得て脱走を試みるが、計画は露見し、リーゲルは殺害される。コンスタンチンは自ら薬品を投与してエイリアンを体外に出し、兵士と戦わせる。タチアナはコンスタンチンを車に乗せ、研究所からの脱出に成功する。しかし、エイリアンが傷つけばコンスタンチンも同様に傷つくことが判明し、完全な分離は不可能だと悟る。

追いついてきたセミラドフ大佐はタチアナに危害を加えようとするが、コンスタンチンはエイリアンを操り、セミラドフ大佐たちを皆殺しにする。その後、エイリアンはコンスタンチンの体内に戻り、彼は自らを銃で撃ち、エイリアンと共に死亡する。

コンスタンチンの死を見届けたタチアナは、彼の息子リョーシャを引き取り、新たな人生を歩む決意をする。

作品のテーマ

『スプートニク』は、冷戦下のソ連を舞台に、国家の陰謀、人間の倫理、そして親子の情を描いた作品。エイリアンという異質な存在を通して、人間の本質を問いかける。

キャスト

タチアナ・ユリエヴナ: オクサナ・アキンシナ (雨谷和砂)
コンスタンティン・ヴェシュニャコフ: ピョートル・フョードロフ (三上哲)
セミラドフ大佐: フョードル・ボンダルチュク (板取政明)
ヤン・レオニードヴィチ・リーゲル: アントン・ワシーリエフ

外部リンク

映画『スプートニク』公式サイト - AMGエンタテインメント
スプートニク - 映画.com
Sputnik - IMDb（英語）
Sputnik - Metacritic（英語）
Sputnik - Rotten Tomatoes（英語）
スプートニク - オールムービー（英語）

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