スプートニク (通信社)

スプートニクについて

スプートニク（SPUTNIK）は、ロシアの通信社であり、2014年に設立されました。設立当初より、ロシア政府系メディア「ロシアの今日」の傘下として、RIAノーボスチやロシアの声を引き継ぎつつ、主にロシア国外への情報提供を行っています。日本語版は2015年に開設され、その後様々な言語での発信が進められています。

概要

本社はモスクワに位置しており、支局はワシントン、北京、パリ、ベルリン、カイロ、ロンドン、エディンバラなど多岐にわたります。スプートニクは、ロシア語の24時間ラジオ放送に加え、30か国語でニュースサイトを運営し、ロシア及び世界の最新情報を各国語に翻訳して提供しています。スプートニクの記者によるオリジナルコンテンツも充実しており、国際的なニュースアグリゲーションの重要な役割を果たしています。

スプートニクの報道内容は、基本的にロシア政府からの指示や方針に沿ったものが多く、そのため特定の視点や立場を持つことが指摘されることもあります。特に、ロシア大統領のウラジーミル・プーチン政権に対して、時には批判的な視点を持つ記事も見受けられ、こうした点が議論の種となることがあります。

ラジオ・スプートニク

スプートニクの音声放送は「ラジオ・スプートニク」として知られており、FM、デジタルラジオ、インターネットなど、さまざまな媒体を通じて配信されています。このネットラジオは、多くの国で聴取可能であり、特にロシア外でも広範囲にわたってリーチを持っています。2017年においては、アブハジアやアルメニア、フランス、アメリカなど14か国でFM放送が行われているとのことです。

日本語放送は過去に「ロシアの声」から引き継がれ、インターネット上でのストリーミングが中心となった結果、2016年に廃止されました。音声コンテンツは、一部がサウンドクラウドにアーカイブされていますが、視聴者数の観点から視聴率優先に偏った報道が行われることがあり、これが批判の対象となっています。

フェイクニュースと批判

スプートニクは、特に西側諸国からの批判を受けています。多くのメディアや政治家は、スプートニクがロシア政府のプロパガンダ機関であり、フェイクニュースを拡散する役割を果たしていると指摘しています。このような批判は、フランス大統領エマニュエル・マクロンが自国の選挙に対するプロパガンダの一端を指摘したことに象徴されます。

2016年の米大統領選挙においては、情報操作が疑われ、Twitterから広告投稿を禁じられたという経緯もあります。さらに、2021年の調査で、スプートニクはFacebook上で気候変動否定を推進する影響力のあるメディアの一つとして挙げられました。2022年3月には、EUによってスプートニクの禁止令が正式に発効し、これがロシアからの情報発信に影響を与えています。

まとめ

スプートニクは、さまざまな言語で国際ニュースを提供し続ける一方で、情報の信憑性や偏向性が問われる日々を送っています。このように、スプートニクは単なる情報提供者に留まらず、国際的な政治や社会情勢にも深く関与している存在です。

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