スプートニク2号

スプートニク2号：世界初の動物を乗せた宇宙船

スプートニク2号は、ソビエト連邦が1957年11月3日に打ち上げた人工衛星であり、世界で初めて動物を宇宙へ送り込んだ宇宙船です。このミッションは、その後の有人宇宙飛行への重要な一歩となりました。

設計と構造

スプートニク2号は、同年10月に打ち上げられたスプートニク1号に続く、スプートニク計画の2番目の機体です。円錐形の本体は、スプートニク1号よりも大幅に重い508kgに達しました。内部には、実験動物である犬の「ライカ」が搭乗しており、他にもガイガーカウンターや光度計などの計測機器が搭載されていました。

この宇宙船は、ライカを宇宙空間で生存させるために気密構造となっており、生命維持装置が備えられていました。しかし、当初から地球への帰還は想定されておらず、大気圏再突入や着陸のための装備は搭載されていませんでした。

計画では、打ち上げ7日後に餌を与えることでライカを安楽死させる予定でしたが、仮に生き延びたとしても10日後には酸素が尽きるだろうと考えられていました。実際には、打ち上げから約5時間後には断熱材の不備により船内温度が異常に上昇し、ライカはパニック状態となりました。その後、約1時間後にはライカの生命反応は確認されなくなりました。

飛行とミッションの顛末

スプートニク2号は、バイコヌール宇宙基地からR-7ロケットによって打ち上げられました。当初の軌道は、近地点212km、遠地点1,660km、軌道周期103.7分でした。スプートニク計画の責任者は、スプートニク1号と同じくセルゲイ・コロリョフでした。

打ち上げ自体は順調でしたが、軌道投入後にロケット本体と衛星の分離に失敗し、スプートニク2号はロケットと結合したまま周回することになりました。また、衛星の断熱材の一部が損傷したため、熱制御がうまくいかず、船内温度は40℃にまで上昇しました。

ライカが実際にどれだけ生存したかは正確には不明です。初期のデータでは、ライカが動揺しながらも食事を摂る様子が確認されましたが、その後は熱制御の問題により異常な高温に晒されたため、1日か2日程度しか持たなかったと考えられています。

スプートニク2号からの通信は11月10日に途絶え、打ち上げから162日後の1958年4月14日に大気圏に再突入し、消滅しました。

結論

スプートニク2号のミッションは、有人宇宙飛行の可能性を大きく示唆するものでしたが、同時に宇宙における生命維持の難しさや技術的な課題を浮き彫りにしました。ライカの犠牲は、その後の宇宙開発において貴重な教訓となりました。

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