スプートニク3号

スプートニク3号の概要

スプートニク3号（Спутник-3）は、1958年にソビエト連邦によって打ち上げられた人工衛星である。この衛星は、12種類の科学観測装置を搭載し、地球の上層大気や宇宙空間の観測を行うことを目的としていた。

衛星の設計と開発

スプートニク3号の設計は1956年7月に始まった。当初は、新たに世界初の人工衛星として打ち上げられる予定であったが、衛星の開発に難航したことから、打ち上げロケットが先に完成したこともあり、先にスプートニク1号が打ち上げられることとなった。

スプートニク3号は、全長3.57メートル、質量1327キログラムの円錐形状で構成されている。搭載された12種類の観測機器は、上層大気の気圧や組成、地球近くの宇宙空間における荷電粒子の分布、宇宙線に含まれる光子や重粒子、地球の磁場や電場の状態、さらには流星物質に関するデータを収集することができた。

打ち上げの実施

スプートニク3号の打ち上げは、スプートニク1号から約7ヶ月後の1958年5月15日に行われた。バイコヌール宇宙基地から発射されたスプートニクロケットは、衛星を近地点217キロメートル、遠地点1864キロメートルの楕円軌道に投入することに成功した。

しかし、衛星の運用には大きな課題が伴った。テープレコーダーの故障により、観測データの取得に制約が生じ、期待された成果を十分に上げることができなかった。この問題は、科学的観測の精度や信頼性に影響を及ぼす要因であった。

運用終了とその後の影響

スプートニク3号は、運用が終了した後もしばらくの間、地球の周回軌道に留まっていた。しかし、地球の上層大気による抵抗の影響を受け、徐々にその軌道は低下していった。最終的に、1960年4月6日に大気圏に突入し、宇宙から地球への帰還を果たすこととなった。

まとめ

スプートニク3号の打ち上げは、人工衛星の発展における重要な一歩である。高度な科学技術を駆使したこの衛星は、地球の上層大気や宇宙環境に関する貴重なデータを収集し、後の宇宙研究に貢献した。スプートニク計画の成功は、宇宙探索の新たな時代を切り開く礎となったのである。

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