スプートニク5号

スプートニク5号は、ソ連が1960年に打ち上げた有人宇宙船の試験機です。このミッションは、動物を軌道上に打ち上げ、地球に生還させることに成功した初の事例として知られています。スプートニク計画の一環であり、ボストーク宇宙船の2回目のテスト飛行も兼ねていたため、コラブリ・スプートニク2号とも呼ばれます。

搭乗員

スプートニク5号は、ボストーク有人宇宙船の試験機として、生命維持装置を備えた気密室と大気圏突入のための構造を備えていました。人間は搭乗しませんでしたが、ストレルカとベルカという名前の2匹の犬をはじめ、40匹のマウス、2匹のラット、そして数種類の植物が搭載され、宇宙空間での生存能力が検証されました。このミッションは、後の有人宇宙飛行における安全性の確認に重要な役割を果たしました。

ミッションハイライト

1960年8月19日、スプートニク5号はバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、8ヶ月後に世界初の有人宇宙飛行を成功させるボストーク1号と同じ軌道に乗りました。世界で初めてスプートニク5号からの信号を受信したのはボンのラジオ局で、3周目にはスウェーデンのラジオ局も信号を確認しました。宇宙船には、犬の様子を撮影するためのテレビカメラも搭載されていました。

打ち上げから約1日後、スプートニク5号は無事に地球に帰還し、搭載されたすべての動植物の生存が確認されました。この成功は、有人宇宙飛行実現への大きな一歩となりました。帰還から1年後、ストレルカが産んだ仔犬の一匹が、ソ連からアメリカのファーストレディ、ジャクリーン・ケネディに親善の贈り物として贈られました。

なお、スプートニク5号の正確な発射時刻については議論があり、Sergei Voevodinは08:38:24 UTCとしていますが、公式には08:44:06 UTCとされています。

参考文献

“Sputnik 5” (英語). NASA - NSSDC

関連項目

コラブリ・スプートニク
ボストーク
ソ連の宇宙犬

もう一度検索