スベトラーナ・ホルキナ

スヴェトラーナ・ホルキナ：体操界の女王から政界へ

スヴェトラーナ・ワシリエヴナ・ホルキナ（1979年1月19日 - ）は、ロシアの元女子体操競技選手であり、現在は政治家として活動しています。1990年代後半から2000年代前半にかけて、体操界のトップ選手として長きにわたり活躍しました。

体操選手としての輝かしいキャリア

5歳で体操を始めたホルキナは、12歳という若さでナショナルチーム入りを果たします。1995年の欧州選手権で個人総合優勝を飾ると、同年、福井県鯖江市で開催された世界選手権に初出場し、得意の段違い平行棒で優勝。その後、数々の新技を開発し、段違い平行棒で圧倒的な強さを見せつけ、世界選手権五連覇という偉業を達成しました。1997年の世界体操競技選手権（ローザンヌ）では、個人総合でも初優勝を飾っています。

しかし、2000年のシドニーオリンピックでは、跳馬の不具合や段違い平行棒での落下など、不運が重なり個人総合11位に終わります。団体でも段違い平行棒で落下し、優勝を逃しただけに、得意種目での二連覇達成は、彼女にとって格別な喜びであり、涙を流して喜びました。

2003年の世界体操競技選手権（アナハイム）個人総合では、予選3位から最終種目の床運動で逆転優勝を果たし、連覇を達成。その演技は、2位だったカーリー・パターソンに「まるで女優のよう」と感嘆させるほどでした。一方で、予選1位だった段違い平行棒では2度落下し、7位に終わっています。この大会期間中に、翌2004年での引退を表明しました。

最後の五輪となった2004年アテネオリンピックでは、会場のファンから大きな声援を受けましたが、個人総合でカーリー・パターソンに敗れ銀メダルに終わりました。悲願のオリンピック優勝は叶いませんでしたが、競技終了後には多くの選手と握手を交わし、表彰式にはレオタードを着替えて臨むなど、女王としての風格を見せつけました。種目別の段違い平行棒ではまさかの落下に終わり、三連覇を逃し、ショックからか全選手の演技終了を待たずに退場。メダル獲得者によるガラにも姿を見せませんでした。しかし、その後の記者会見では「私は、オリンピックチャンピオン」と発言し、物議を醸しました。

2004年12月には、ロシア体操連盟の副会長に選出されました。

政界への転身

2007年には、与党・統一ロシアからロシア連邦議会下院議員に当選し、政治家としての道を歩み始めました。この選挙では、同じく元新体操選手であるアリーナ・カバエワなども当選しています。2009年1月には、スポーツ議員団の一員として来日も果たしました。

体操選手としての特徴

約10年もの間、ロシアのエースとして活躍したホルキナは、164cmという長身も特徴でした。少女時代には新体操にも取り組んだ経験があります。特に段違い平行棒においては、他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇り、自ら開発した新技（背面ひねり飛び越し懸垂）を武器に、オリンピック連覇、世界選手権五連覇をはじめとする数々の記録を打ち立てました。個人総合でも常に優勝候補と目されていましたが、世界選手権では3度優勝したものの、オリンピックでの優勝は叶いませんでした。

名前について

ホルキナの名字は、Chorkinaと表記されることもあり、国際大会デビュー当初は「チョルキナ」と表記されていました。しかし、1995年の世界体操競技選手権（福井県鯖江市）中に、場内アナウンスを聞いた本人の申し入れにより、「ホルキナ」に改められました。

スヴェトラーナ・ホルキナは、その輝かしい実績と美貌で、体操界に大きな足跡を残しました。引退後も、政治家として活躍する彼女の姿は、多くの人々に勇気を与えています。

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