スベン・クラマー

スベン・クラマー（Sven Kramer、1986年4月23日 - ）は、オランダ・ヘーレンフェーン出身のスピードスケート選手です。その卓越した才能から、スピードスケート史上屈指のオールラウンダーとして広く認知されています。特に、世界オールラウンド選手権での総合優勝9回は、男女を通じて史上最多という輝かしい記録を保持しています。

経歴

2004年、スベン・クラマーはローズビルで開催された世界ジュニア選手権で2位に入賞し、翌年セイナヨキで行われた同大会では見事優勝を果たしました。また、自転車競技においても才能を発揮し、ジュニア国内選手権でロベルト・ヘーシンクに次ぐ2位に入った経験も持ちます。2005年9月には、自身初となる世界新記録を樹立。この年から、現在の所属チームである「TVM Schaatsploeg」に加わり、ヘラルト・ケムケルスコーチの指導を受けることとなります。

2006年トリノオリンピックでは、5000mで銀メダル、団体パシュートで銅メダルを獲得しました。しかし、団体パシュートでは自身の転倒が原因で準決勝敗退という苦い経験もしています。その他の種目では、1500mで15位、10000mで7位という結果でした。

その後、スベン・クラマーは世界距離別選手権において、5000m・10000m・団体パシュートの三冠を3年連続で達成するという偉業を成し遂げます。さらに、世界オールラウンド選手権では、男子として史上初の4年連続優勝を果たしました。ワールドカップでも2度の総合優勝を飾るなど、その実力は疑いの余地がありません。

2010年バンクーバーオリンピックでは、5000mで6分14秒60の五輪新記録を樹立し、自身初となる金メダルを獲得しました。しかし、10000mではケムケルスコーチの誤った指示によりインコースを2周続けて滑るというミスを犯し、失格となってしまいます。この出来事は、オランダの日刊紙アルゲメン・ダグブラドで一面報道されるほど大きな話題となりました。スベン・クラマーはコーチと激しく言い争いましたが、翌日にはわだかまりを解き、今後も同コーチの指導を受け続けることを表明しました。

怪我の影響で2010/11シーズンを棒に振ってしまいましたが、翌シーズンには見事復帰し、世界チャンピオンに返り咲きました。

2014年ソチオリンピックでは、5000m、10000m、団体パシュートの3種目に出場し、10000mで同じオランダのヨリト・ベルフスマに敗れ銀メダルに終わったものの、他の種目では圧倒的な強さを見せつけて優勝を飾りました。

2018年平昌オリンピックでも同様に3種目に出場。10000mでは6位に終わりましたが、5000mでは五輪新記録を樹立し、3連覇を達成しました。団体パシュートでは銅メダルを獲得しています。

家族・交友

父親のイェップ・クラマー（en:Yep Kramer）と妹のブレヒト・クラマー（nl:Brecht Kramer）もスピードスケート選手という、まさにスケート一家です。また、フィールドホッケーで二度オリンピック優勝の経験を持つナオミ・ファンアスと交際していることでも知られています。

世界記録

現在、以下の記録で世界記録を保持しています。

（記録）

コーエン・フェルバイ、ヤン・フロクハイゼンとともに記録した。

スベン・クラマーは、その輝かしい実績と人間性で、多くの人々に感動を与え続けている、まさにスピードスケート界のレジェンドと言えるでしょう。

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