2010年バンクーバーオリンピック

2010年バンクーバーオリンピック

2010年2月12日から28日まで、カナダのバンクーバーで開催された2010年冬季オリンピックは、第21回目の冬季五輪として位置付けられます。前回の開催から22年ぶりにカナダで行われたこのオリンピックは、「オー・カナダ」の歌詞を基にしたテーマ「With Glowing Hearts」を掲げ、多くの注目を浴びました。

大会招致までの過程

バンクーバーが開催都市に選ばれたのは、2003年に行われたIOC総会での投票によります。バンクーバー、平昌、ザルツブルクの3都市が最終候補に残り、最初の投票では平昌がトップに立ちました。しかし、決選投票では、バンクーバーがザルツブルクからの支持を得て、わずか3票差で勝利しました。

大会の特徴

本大会は、歴史的に冬季五輪で初めて開会式が屋内で実施されました。BCプレイス・スタジアムで行われたこの式において、日本は入場行進で43番目に登場しました。また、バンクーバーの人口は約57万人で、札幌やトリノに次いで冬季五輪開催都市の中で多い数字を記録しています。地元カナダは、金メダル14個を含む26個のメダルを獲得し、過去の記録を更新しました。

大会理念

「先住民の参加」「環境への配慮」「持続可能な発展」という理念のもと開催された大会でしたが、2008年に始まった世界同時不況が大会運営に影響を与える結果となりました。選手村は大会後に住宅として利用される予定でしたが、売却が難航し赤字が発生しました。

開催地と競技

競技はバンクーバーとその郊外で行われ、主要な会場にはBCプレイス、カナダ・ホッケー・プレイス、リッチモンド・オリンピック・オーバルなどがあります。ウィスラーではボブスレーやアルペンスキーの競技が行われました。

大会マスコットとメダル

本大会のマスコットキャラクターは、オルカとシロクマを元にした「ミーガ」とサスクワッチをモチーフにした「クワッチ」などがありました。冬季オリンピックのメダルデザインは自由で、バンクーバーオリンピックのメダルは環境保護を考慮し、不要な廃棄物から製作されました。

開会式・閉会式

開会式では、氷のトーテムポールとともに、300人以上の先住民が参加しました。また、開会式の前に事故で亡くなったリュージュ選手への哀悼の意が捧げられました。閉会式でもアーティストが多数出演するなど、多彩な文化を感じさせる内容となり、次世代に引き継がれる五輪の様子が印象づけられました。

大会の課題

しかし、暖冬による雪不足や、選手の事故もありました。特に、リュージュ選手の事故は大会運営に大きな影響を与え、以降の安全対策が求められる結果となりました。

このように、2010年バンクーバーオリンピックは、数々の新しい試みと同時に、記憶に残る出来事が多くありました。

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