スペイン・ブルボン朝

スペイン・ブルボン朝の歴史

スペイン・ブルボン朝は、1700年にフェリペ5世が即位したことから始まる。彼はフランスのブルボン家の出身であり、スペイン王位を巡る競争の結果としてこの地位を手に入れた。前王家であるスペイン・ハプスブルク家は嗣子を残さぬままその支配を終え、その混乱の中で新しい王権が誕生した。これによって、スペインの政治と歴史は大きく変わることとなった。

フェリペ5世の統治とスペイン継承戦争

カルロス2世の死後、後継者争いが激化し、スペイン継承戦争が勃発する。周辺諸国は、フランスの勢力が拡大することを懸念し、フェリペ5世の即位に対抗した。この戦争は膨大な犠牲を伴い、1713年のユトレヒト条約でようやく決着がつく。フェリペ5世は王位の承認を得るも、その代償の大きさに苦しむことになった。

この戦争を機に、フェリペ5世は中央集権化を推進し、スペインという国家の基盤を固めることに尽力した。彼の治世下で国家機構が再構築され、諸地方特権が廃止されて統一的な立法体制が確立された。これにより、今日のスペインの枠組みが作られたとも言える。

再興そして混乱の時代

カルロス3世の治世は比較的安定した時代であり、国の復興が図られた。しかし、カルロス4世の時代には寵臣のマヌエル・デ・ゴドイが政権を握り、ナポレオンの影響を受けつつスペイン王国は揺れ動く。1808年、ゴドイ政権はナポレオンの介入を招き、王位を失うに至る。

新たにナポレオンの兄が王となったが、多くの国民はこれを受け入れず、激しい抵抗運動が起きた。このスペイン独立戦争の結果、1813年にはフェルナンド7世が復位するが、国の疲弊は避けられなかった。並行して、スペインの海外領土が次々に独立を果たし、その地盤が崩れていく様子は、フェルナンド7世の反動的な姿勢と相まってより厳しい状況を生んでいった。

自由主義とカルリスタ戦争

自由主義派と保守派の対立が激化する中で、フェルナンド7世の政策は逆風にさらされ、彼の死後、長女イサベル2世が即位すると、これまた激しい内戦が続くことになる。カルリスタ戦争は、内外の勢力を巻き込みながら続き、ブルボン家との連携を持った保守派に支持を得たカルロス派が反発を強めていく。

イサベル2世は支持を受けつつ政権を維持するも、1870年、次の王制成立を巡る混乱を受けてその地位は脅かされ、最終的にはフランスに亡命することとなった。

近代・現代への影響

フランコ体制下での再統合を経て、1975年にフアン・カルロス1世が即位した。彼は立憲君主制への道を歩み、スペインの民主主義復興に寄与した。その後、フアン・カルロス1世は2014年に退位し、現在の君主フェリペ6世にバトンが渡される。

このように、スペイン・ブルボン朝は歴史を通じて幾度となく再構築を余儀なくされ、政治や社会の様相は常に変化してきた。各君主がどのように国を治めたか、その影響は今なお我々の目の前に現れている。歴代の君主はそれぞれ異なる課題に対処し、スペイン国民の意識に深い影響を与えてきたことは間違いない。

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