スペイン広場 (ローマ)

スパーニャ広場、別名スペイン広場は、イタリアの首都ローマの中心部に位置する歴史ある広場です。その名は、広場に隣接するスペイン大使館にちなんで名付けられました。イタリア語では「Piazza di Spagna」と呼ばれ、観光客にも地元住民にも愛される場所となっています。

広場の中央には、著名な芸術家ジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって制作された「バルカッチャの噴水（舟の噴水）」があります。この噴水は、そのユニークなデザインと精巧な作りで訪れる人々を魅了し続けています。

広場の東側には、トリニタ・デイ・モンティ教会へと続く壮大な階段、「スペイン階段」がそびえ立っています。この階段は、フランチェスコ・ディ・サンクティスによって設計され、1725年に完成しました。波打つような独特の形状は、バロック様式の美しさを際立たせています。映画『ローマの休日』では、オードリー・ヘプバーン演じる王女がこの階段でジェラートを食べるシーンが非常に有名で、多くの観光客が映画のシーンを思い起こしながら訪れます。階段はもともとフランスの外交官の寄付によって建設されたものですが、スパーニャ広場に位置することから「スペイン階段」という名前で親しまれています。

スパーニャ広場の西側は、ローマの主要なショッピングストリートであるコルソ通りに面しており、そこからコンドッティ通りが延びています。コンドッティ通りは、高級ブランド店が立ち並ぶことで知られ、ショッピングを楽しむ人々で賑わっています。

近年、スパーニャ広場とその周辺の保全のため、広場での飲食や階段での座り込みが法律で禁止されるようになりました。そのため、かつて映画『ローマの休日』で描かれたような、階段でジェラートを食べたり、座ってくつろいだりする光景は、現在では見ることができません。

広場周辺には地下鉄の駅があり、階段を上らずに広場の上部へ行けるエレベーターも設置されています。これらの交通機関の整備により、広場へのアクセスが容易になり、より多くの人がこの歴史的な場所を訪れやすくなりました。

スパーニャ広場は、歴史と文化が息づく場所として、ローマを訪れる人々にとって欠かせない観光スポットであり、その美しい景観は、訪れる人々を魅了し続けています。

関連事項として、ローマには数々のオベリスクがあり、スパーニャ広場の景観の一部としても認識されています。これらのオベリスクは古代エジプトから運ばれてきたもので、ローマの歴史を語る上で重要な存在です。

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