『スペクトラム伝説』は、日本のフュージョンバンド、スペクトラムが
1983年にリリースしたベスト
アルバムです。LP版とCD版が存在し、それぞれ構成が大きく異なる点が特徴です。
LP版
LP版は
1981年に発売された『
スペクトラム BEST '81』と全く同じ内容で、スペクトラムの初期の代表曲を網羅しています。
CD版
CD版は、LP版の内容をベースに大幅な変更が加えられました。収録曲が増加しただけでなく、一部の楽曲は別バージョンに差し替えられており、LP版とは異なる新たな魅力が加わっています。CD化にあたり、LP版に掲載されていた
ライナーノーツは削除されました。
CD版の特徴として、いくつかの楽曲は以下のような変更が加えられています。
1920、アミューズ・カンパニー~スマイル・フォー・ミー: オリジナル版ではイントロが前の曲とクロスフェードしていましたが、CD版ではフェードインのタイミングが変更され、イントロが短くなっています。
ロックン・ロール・サーカス: オリジナル版ではコーダが次の曲とクロスフェードしていましたが、CD版ではフェードアウトのタイミングが変更され、コーダが短くなっています。
アクト・ショー:
シングル「イン・ザ・スペース」のB面に収録されていたライブ音源を収録しており、スタジオバージョンとはイントロやAメロの長さ、エンディングのボーカルや演奏が異なります。
ミーチャン GOING TO THE HOIKUEN: CD版ではイントロ前の台詞がカットされています。
侍S: 初回盤はオリジナル版を収録していましたが、復刻の際にコーダがフェードアウト処理されました。
夜明け(アルバ): LP版では
シングルバージョンが収録されていましたが、CD版では
アルバムバージョンに差し替えられています。
あがき: CD版ではイントロ前のSEがカットされています。
トマト・イッパツ: LP版ではオリジナル版が収録されていましたが、CD版では
アルバム『
SPECTRUM FINAL』に収録された解散ライブの音源に差し替えられています。
特に、CD版の「侍S」は、最初の復刻の際に微細な加工が施され、それ以降は加工後の形で復刻されているため、複数のバージョンが存在することになります。
収録曲
1. 1920、アミューズ・カンパニー~スマイル・フォー・ミー (1920, AMUSE COMPANY~SMILE FOR ME)
2. イン・ザ・スペース (IN THE SPACE)
3. ロックン・ロール・サーカス (ROCK'N ROLL CIRCUS)
4. アクト・ショー (ACT-SHOW)
5. ミーチャン GOING TO THE HOIKUEN
6. F・L・Y
7. サンライズ (SUNRISE)
8. 侍S
9. モーション (MOTION)
10. Night Night Knight
11. 夜明け(アルバ)
12. あがき
13. パッシング・ドリーム (PASSING DREAM)
14. ソング (SONG)
15. トマト・イッパツ (TOMATO IPPATSU)
この
アルバムは、スペクトラムの音楽性の多様さと、時代ごとの変化を楽しむことができる貴重な作品です。特にCD版は、LP版とは異なるバージョンやライブ音源が含まれているため、ファンにとっては必携のアイテムと言えるでしょう。