スペーストラベラーズ

スペーストラベラーズ（Space Travellers）

概要

2000年にリリースされた日本の映画『スペーストラベラーズ』は、銀行強盗という緊迫した状況の中で繰り広げられる人質たちと強盗団のドラマを描いています。

あらすじ

物語は、閉店間際のコスモ銀行が強盗団に襲撃されるところから始まります。この強盗団は、リーダーの保（タモツ）を中心に、幼馴染の仲間たちで構成されています。彼らの夢は、幼少期から憧れていた南の島での生活。強盗の目的はそこにありました。

しかし、計画は誤算から狂い始めます。銀行の金庫室に踏み込む際、警備員の庄田と支店長が扉を閉めて籠城してしまったために、強盗団は思わぬ事態に陥ります。さらには、逃げようとした銀行員の清水が乱闘に巻きこまれ、周囲を巡回していた警官に目撃されてしまう。この瞬間、警察が急速に駆けつけ、銀行は包囲されてしまいます。強盗団はやむを得ず人質を取って籠城することになりました。

人質となったのは、逃げようとした清水、電気屋の倉沢、離婚を控えた深浦夫妻、寿退職が近い銀行員の相田みどり、そして外貨の両替に来ていた謎の男・坂巻の6人です。この一連の緊迫した状況の中、相田は強盗たちの自動小銃を奪い、無理に暴力的な行動へと進むことになります。この衝動が引き起こした事態は、銀行の外にいる警官隊をさらに混乱させ、事態はより悪化していくのです。

その後、警察は人質の中にいる坂巻が国際指名手配中のテロリストであることを知り、大々的に事態を発表します。強盗団はこれを逆手に取り、テロリストとして演じることを決意。彼らは人質たちにも犯人グループとして振る舞うように求め、結果的に、強盗たちと人質たちの間に奇妙な絆が生まれます。人質たちは、強盗の一人であるイサオが好きなアニメ「スペーストラベラーズ」を名乗ることにし、それぞれキャラクター名を名乗ることにしました。

物語が進む中で、坂巻の願いを叶えるため、強盗のリーダーであるタモツは監禁していた銀行員を解放し、坂巻を逃がす手助けをします。新たな展開に突入し、朝が訪れると警官隊の突入が始まります。強盗団は、彼らが仲間として結託したみどりらを守る決意をし、警官隊に立ち向かうことに決めました。

この映画は、サスペンスとドラマが融合した作品であり、計画が崩壊した後の人間関係の変化や、非道な状況下での友情と犠牲について考えさせられる物語が展開します。特に、ストックホルム症候群とも呼ばれる、そこでの人質と強盗間の心理的な複雑さが興味を引きます。

キャスト

この映画には、金城武、池内博之、安藤政信などの有名な俳優が出演しており、彼らの演技によって物語に深みを与えています。特に主演の金城武が演じるタモツのキャラクターは、強盗団の中での中心的な存在として印象的です。

スタッフ

映画は、児島雄一の原作を基に、本広克行が監督を務め、岡田惠和が脚本を担当しています。主題歌としてクイーンの「ナウ・アイム・ヒア」が用いられ、作品全体の情熱と緊迫感をより一層引き立てています。

このように、『スペーストラベラーズ』はサスペンスドラマとしての魅力に溢れ、人間の複雑な感情を描き出した作品です。

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