スポレート公国

スポレート公国（Ducato di Spoleto）

スポレート公国は、570年から1198年にかけてイタリア中部に存在したロンゴバルド人による公国です。その領域は当初、現在のアブルッツォ州、ラツィオ州、マルケ州、ウンブリア州の一部にまたがっていました。時代が下るにつれて領域は縮小し、最終的には教皇国家に編入され、行政区画の一つとなりました。

建国

570年、ロンゴバルド人によって建国され、ファロアルド1世（Faroaldo I, 570年 - 592年）が初代スポレート公となりました。スポレートがその首都として定められました。

地理と国境

スポレート公国は、イタリア半島の中央部に位置し、その国境は以下の通りでした。

東：アドリア海
南：同じくロンゴバルド人のベネヴェント公国
その他：東ローマ帝国（ビザンツ帝国）のラヴェンナ総督領

このように、スポレート公国はロンゴバルド人の勢力と東ローマ帝国の勢力の間という戦略的に重要な位置にありました。そのため、しばしば紛争の舞台となり、その勢力図も時代とともに変化しました。

歴史的背景

ロンゴバルド人は、6世紀にイタリア半島に侵入し、各地に公国を建設しました。スポレート公国もその一つであり、北部のロンゴバルド王国の影響を受けながらも、ある程度の自治権を保持していました。しかし、周辺の勢力との関係や内部の権力闘争によって、その歴史は決して安定したものではありませんでした。

教皇国家への編入

スポレート公国は、中世後期には教皇国家の影響下に入り、徐々にその支配を受け入れるようになりました。最終的には教皇国家に編入され、公国としての歴史を終えました。

その後

公国は消滅しましたが、スポレートの地名は残り、教皇国家の一つの県として存続しました。現在ではイタリア共和国のウンブリア州に属しています。

関連項目

ランゴバルド人
インノケンティウス3世 (ローマ教皇)
スポレート

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