スポーツ刈り

スポーツ刈りとは、頭の角を残しつつ、全体をなめらかにつなげるように刈り上げた男性の髪型です。角を四角く残す角刈りとは区別されます。

スポーツ刈りの特徴

スポーツ刈りは、その名の通り、野球などのスポーツをする学生を中心に広まりました。手入れが簡単で清潔さを保ちやすいことから、体を動かす職業の人々に根強い人気があります。例えば、職人や板前、ヘルメットや空気呼吸器を着用する消防吏員などです。特に消防職員は、面体が密着しなくなるため髭を禁止している場合が多く、スポーツ刈りのような短髪が推奨されます。

自衛隊の教育隊では、男子はこの髪型が義務付けられています。教育期間修了後は、自衛隊法第58条の「品位を保つ義務」の範囲内で髪型を自由にできますが、陸上自衛隊の普通科では、格闘戦で不利になるため、より短いGIカットを選ぶ隊員もいます。

1980年代には、スポーツ刈りは男児の定番の髪型でした。しかし、近年ではソフトモヒカンなど、多様なヘアスタイルが登場したことで、スポーツ刈りを選ぶ人は減少傾向にあります。

慎太郎刈り

1956年（昭和31年）には、スポーツ刈りの一種である「慎太郎刈り」が流行しました。これは、前髪をさらに長くしたスタイルで、作家・石原慎太郎が映画『太陽の季節』に出演した際にしていた髪型です。ある新聞記者（東京新聞とされるが不詳）が名付け親で、石原が当時通っていた逗子市の理容店「塩沢理容店」の店主・塩沢茂一が考案したカットです。石原自身は、自分の名前が呼び捨てにされる「慎太郎刈り」という名称を嫌っていたと言われています。

慎太郎刈りが流行したことがきっかけで、日本人男性が帽子を被る習慣が廃れ、国内の帽子メーカーが苦戦を強いられたという説もあります。

関連語

坊ちゃん刈り
丸刈り
* ソフトモヒカン

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